数式で独楽する

数式を使って楽しむブログです

[tex: ]

京大 2013年 前期 理系 第6問

投げたとき表が出る確率と裏が出る確率が等しい硬貨を用意する。数直線上に石を置き、この硬貨を投げて表が出れば原点に関して対称な点に石を移動し、裏が出れば座標1の点に関して対称な点に石を移動する。
(1) 石が座標$x$の点にあるとする。2回硬貨を投げたとき、石が座標$x$の点にある確率を求めよ。
(2) 石が原点にあるとする。$n$を自然数とし、 2n回硬貨を投げたとき、石が座標$2n -2$の点にある確率を求めよ。

投げた硬貨の表裏で石を移動する規則が異なっています。文章を読むと複雑な感じがしますが、小問(1)については2回投げれば表表、表裏、裏表、裏裏の4通りしかないので、愚直に攻めていくのが良さそうです。

小問(1)の答案

a. 1回目に表が出た場合、石は$x$から$-x$に移動します。
(a) 2回目に表が出た場合、石は$-x$から$x$に移動します。
(b) 2回目に裏が出た場合、石は$-x$から$x+2$に移動します。
\begin{equation}
-x = 1 + (-x -1) \quad \Longrightarrow \quad 1 + (x +1) = x +2
\end{equation}

b. 1回目に裏が出た場合、石は$x$から$-x +2$に移動します。
\begin{equation}
x = 1 +(x -1) \quad \Longrightarrow \quad 1 -(x -1) = -x +2
\end{equation}
(a) 2回目に表が出た場合、石は$-x +2$から$x -2$に移動します。
(b) 2回目に裏が出た場合、石は$-x +2$から$x$に移動します。
\begin{equation}
-x +2 = 1 +(-x +1) \quad \Longrightarrow \quad 1 + (x -1) = x
\end{equation}
上記a, bにより、座標$x$にある石が2回硬貨を投げた後に座標$x$にあるのは、2回とも表または2回とも裏の場合に限ります。
ゆえに確率は、
\begin{equation}
\frac12 \times \frac12 + \frac12 \times \frac12 = \frac12
\end{equation}となります。

小問(2)の答案

小問(1)により、2回1組で座標$x$にある石は、

  1. 表裏が出れば$x+2$に移動します。確率は1/4です。
  2. 裏表が出れば$x -2$に移動します。確率は1/4です。
  3. 表表または裏裏が出れば$x$に留まります。確率は1/2です。

原点にある石が硬貨を$2n$回投げた後に座標$2n -2$の点にあるのは、上記1項が$n -1$回、3項が1回出た場合に限ります。
3項が出る時期を考慮すると、当てはまる組合せは$n$通りです。
ゆえに確率は、
\begin{equation}
n \cdot \left( \frac14 \right)^{n -1} \cdot \frac12 = \frac{n}{2} \cdot \left( \frac14 \right)^{n -1}
\end{equation}となります。