数式で独楽する

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一次変換と不動点

一次変換$f$に対して、
\begin{equation}
f(\overrightarrow{\mathrm{OP}}) = \overrightarrow{\mathrm{OP}}
\end{equation}が成り立つとき、点Pは$f$の「不動点」といいます。

原点は常に不動点です。

一次変換$f$を表す行列を$A$とします。
零ベクトルに対しては、
\begin{equation}
A \boldsymbol{0} = \boldsymbol{0}
\end{equation}なので、原点は不動点であることが分かります。

一次変換$f$が原点以外の不動点をもつ⇔$f$は1を固有値にもつ

一次変換を表す行列を$A$、
 \overrightarrow{\mathrm{OP}} = \boldsymbol{p} \ne \boldsymbol{0}とします。
\begin{eqnarray}
&& \mbox{点Pは原点O以外の不動点} \\
&& \Leftrightarrow \ f(\overrightarrow{\mathrm{OP}}) = \overrightarrow{\mathrm{OP}} \\
&& \Leftrightarrow \ A \boldsymbol{p} = \boldsymbol{p} \\
&& \Leftrightarrow \ \boldsymbol{p}\mbox{は$A$の固有値1に対する固有ベクトル} \\
&& \Leftrightarrow \ \mbox{$f$は1を固有値にもつ}
\end{eqnarray}
ということです。
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固有ベクトルと一次変換 - 数式で独楽する