三角形の任意の角の二等分線を引くと、対辺を残りの2辺の比に分割する。
図を交えて記述すると、次のようになります。
三角形ABCの角Aの二等分線を引き、対辺BCとの交点をDとすると、
\begin{equation}
\frac{\mathrm{BD}}{\mathrm{DC}} = \frac{\mathrm{AB}}{\mathrm{CA}}
\end{equation}
証明は以下の通りです。
頂点Cを通り、ADに平行な直線を引き、ABとの交点をEとします。
まず、ADは角Aの二等分線であることから、
\begin{equation}
\angle \mathrm{BAD} = \angle \mathrm{CAD} \tag{1}
\end{equation}です。
次に、ADとECが平行であることより、次のことが成り立ちます。
同位角は等しいので、
\begin{equation}
\angle \mathrm{BAD} = \angle \mathrm{BE C} \tag{2}
\end{equation}です。
また、錯角は等しいので、
\begin{equation}
\angle \mathrm{CAD} = \angle \mathrm{ACE} \tag{3}
\end{equation}です。
式(1)~(3)より、
\begin{equation}
\angle \mathrm{ACE} = \angle \mathrm{AEC}
\end{equation}となるので、△ACEは二等辺三角形であることが分かります。
すなわち、
\begin{equation}
\mathrm{AC} = \mathrm{AE} \tag{4}
\end{equation}です。
一方、△BAD∽△BECであるので、
\begin{equation}
\frac{\mathrm{BD}}{\mathrm{DC}} = \frac{\mathrm{BA}}{\mathrm{AE}} \tag{5}
\end{equation}
です。
式(4), (5)より、
\begin{equation}
\frac{\mathrm{BD}}{\mathrm{DC}} = \frac{\mathrm{AB}}{\mathrm{CA}}
\end{equation}となります。
つまり、角Aの二等分線は、対辺BCを残りの2辺AB, CAの比に分割することが分かります。