数式で独楽する

数式を使って楽しむブログです

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2020-01-01から1年間の記事一覧

2×2, 3×3行列の行列式

行列$A$に対する行列式をやと表します。行列式は、 \begin{equation} \det A = |A| = \sum_{\sigma \in \mathfrak{S}} \mathrm{sgn}(\sigma) a_{\sigma(1)1} a_{\sigma(2)2} \cdots a_{\sigma(n)n} \end{equation}と定義します。 行列式 - 数式で独楽するこ…

2×2行列の逆行列 その2

2×2行列の逆行列は、 \begin{equation} A^{-1} = \frac{1}{ad - bc} \left( \begin{array}{rr} d & -b \\ -c & a \end{array} \right) \end{equation}です。 逆行列 - 数式で独楽する2×2行列であれば、逆行列を求めるのは容易です。 2×2行列の逆行列 - 数式…

2×2行列の逆行列

2×2行列の逆行列は、 \begin{equation} A^{-1} = \frac{1}{ad - bc} \left( \begin{array}{rr} d & -b \\ -c & a \end{array} \right) \end{equation}です。 逆行列が存在する条件は、 \begin{equation} ad - bc \ne 0 \end{equation}です。 逆行列 - 数式で…

京大 2017年 理系 第3問

を自然数、をとする。このときを満たすの組をすべて求めよ。 解答例 \begin{eqnarray} \tan 2\beta &=& \frac{2\tan \beta}{1 - \tan^2 \beta} \\ &=& \cfrac{\cfrac{2}{q}}{\ 1 - \cfrac{1}{q^2} \ } \\ &=& \frac{2q}{1 -q^2} \\ &=& \frac{1}{q -1} + \fr…

エルミート行列の対角化

相異なる固有値、固有ベクトルをもつエルミート行列は、 固有ベクトルを並べて作ったユニタリ行列で、 固有値を並べて作った対角行列に 対角化することができます。 行列の対角化 - 数式で独楽する 相異なる固有値と付随する固有ベクトル - 数式で独楽するな…

対称行列の対角化

相異なる固有値、固有ベクトルをもつ対称行列は、 固有ベクトルを並べて作った直交行列で、 固有値を並べて作った対角行列に 対角化することができます。 行列の対角化 - 数式で独楽する 相異なる固有値と付随する固有ベクトル - 数式で独楽するなる$n \time…

エルミート行列の固有ベクトル

エルミート行列 随伴行列が元の行列と等しくなる行列を「エルミート行列」といいます。 共軛複素数 - 数式で独楽する 共軛複素数 その2 - 数式で独楽する 行列がエルミート行列の場合、 \begin{equation} A^* = A \end{equation}を満たします。 行列の成分は…

歪エルミート行列の固有値

歪エルミート行列 随伴行列が元の行列の$-1$倍と等しくなる行列を「歪エルミート行列」といいます。 共軛複素数 - 数式で独楽する 共軛複素数 その2 - 数式で独楽する 行列が歪エルミート行列の場合、 \begin{equation} A^* = -A \end{equation}を満たします…

エルミート行列の固有値

エルミート行列 随伴行列が元の行列と等しくなる行列を「エルミート行列」といいます。 共軛複素数 - 数式で独楽する 共軛複素数 その2 - 数式で独楽する 行列がエルミート行列の場合、 \begin{equation} A^* = A \end{equation}を満たします。 行列の成分は…

対称行列の固有ベクトル

対称行列 転置行列が元の行列と等しくなる行列を「対称行列」といいます。 行列が転置行列の場合、 \begin{equation} A^t = A \end{equation}を満たします。 行列の成分は、 \begin{equation} a_{ji} = a_{ij} \end{equation}を満たします。 対角成分を対称…

積の転置行列と随伴行列

積の転置行列 \begin{equation} (AB)^t = B^t A^t \end{equation} 積の転置は、転置して積の順序を逆にするというものです。 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する行列に対して、積$AB$の$i,j$成分を考えます。 アインシュタインの縮約記法を用いることにし…

京大 2017年 理系 第6問 別解

$n$を自然数とする。$n$個の箱すべてにの5種類のカードがそれぞれ1枚ずつ計5枚入っている。各々の箱から1枚ずつ取り出し、取り出した順に左から並べて$n$桁の数を$X$を作る。このとき、$X$が3で割り切れる確率を求めよ。 途中から別解 京大 2017年 理系 第6…

京大 2017年 理系 第6問

$n$を自然数とする。$n$個の箱すべてにの5種類のカードがそれぞれ1枚ずつ計5枚入っている。各々の箱から1枚ずつ取り出し、取り出した順に左から並べて$n$桁の数を$X$を作る。このとき、$X$が3で割り切れる確率を求めよ。 解答例 $n$桁の数$X$を$X_n$とします…

ユニタリ行列 その2

ユニタリ行列 随伴行列が元の行列の逆行列となる行列を、「ユニタリ行列」といいます。 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する 共軛複素数 - 数式で独楽する 共軛複素数 その2 - 数式で独楽する 直交行列の複素数版です。 直交行列 - 数式で独楽する ユニタリ…

ユニタリ行列

ユニタリ行列 随伴行列(転置共軛)が元の行列の逆行列となる行列を、「ユニタリ行列」といいます。 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する 共軛複素数 - 数式で独楽する 共軛複素数 その2 - 数式で独楽する 直交行列の複素数版です。 直交行列 - 数式で独楽す…

直交行列 その2

直交行列 転置行列が元の行列の逆行列となる行列を、「直交行列」といいます。 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する 直交行列 - 数式で独楽する行列が直交行列の場合、 \begin{equation} A^t = A^{-1} \end{equation}を満たします。 書き換えると、 \begin{…

直交行列

直交行列 転置行列が元の行列の逆行列となる行列を、「直交行列」といいます。 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する行列が直交行列の場合、 \begin{equation} A^t = A^{-1} \end{equation}を満たします。 書き換えると、 \begin{eqnarray} A^t A &=& I \tag…

歪エルミート行列

歪エルミート行列 随伴行列が元の行列の$-$1倍となる行列を、「歪エルミート行列」といいます。「反エルミート行列」ともいいます。 共軛複素数 - 数式で独楽する 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する 交代行列の複素数版です。 交代行列 - 数式で独楽する…

交代行列

交代行列 転置行列が元の行列の$-$1倍となる行列を、「交代行列」といいます。「歪対称行列」、「反対称行列」ともいいます。 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する行列が交代行列の場合、 \begin{equation} A^t = -A \end{equation}を満たします。 転置に対…

対称行列とエルミート行列

対称行列 転置行列が元の行列と等しくなる行列を「対称行列」といいます。 転置行列と随伴行列 - 数式で独楽する 行列が転置行列の場合、 \begin{equation} A^t = A \end{equation}を満たします。 行列の成分は、 \begin{equation} a_{ji} = a_{ij} \end{equ…

転置行列と随伴行列

転置行列 行列 \begin{equation} A = \left( \begin{array}{ccc} a_{11} & \cdots & a_{1n} \\ \vdots & \ddots & \vdots \\ a_{m1} & \cdots & a_{mn} \end{array} \right) \end{equation}に対し、行と列を入れ替えて作った行列 \begin{equation} A^t = \le…

複素数の一致

実数に対し、 \begin{equation} z = x + y \, i \end{equation}で表される数を「複素数」といいます。実数ではないという意味で「虚数」ともいいます。 : 虚数単位 : 実部。などと表します。 : 虚部。などと表します。 です。 複素数 - 数式で独楽するここで…

ベクトルの一致

一次独立な$n$本のベクトルは、$n$次元の空間をなします。 この空間の任意のベクトルは、の一次結合 \begin{equation} \boldsymbol{a} = a_1 \boldsymbol{v}_1 + a_2 \boldsymbol{v}_2 + \cdots + a_n \boldsymbol{v}_n \end{equation}で表すことができます…

一次独立と一次従属

一次独立 零ベクトルでないベクトルが「一次独立」または「線型独立」であるとは、 \begin{equation} a_1 \boldsymbol{v}_1 + a_2 \boldsymbol{v}_2 + \cdots + a_n \boldsymbol{v}_n = \boldsymbol{0} \end{equation}を満たすスカラーは \begin{equation} a…

共軛複素数 その2

複素数 複素数 - 数式で独楽する \begin{equation} z = x + y \, i \quad (x, y \in \mathbb{R}) \tag{1} \end{equation}に対し、 \begin{equation} \bar{z} = x - y \, i \tag{2} \end{equation}で表される数を「共軛複素数(共役複素数)」といいます。 共軛…

共軛複素数

複素数 複素数 - 数式で独楽する \begin{equation} z = x + y \, i \quad (x, y \in \mathbb{R}) \end{equation}に対し、 \begin{equation} \bar{z} = x - y \, i \end{equation}で表される数を「共軛複素数」といいます。 「複素共軛」または単に「共軛」と…

複素数の極形式

実数に対し、 \begin{equation} z = x + y \, i \end{equation}で表される数を「複素数」といいます。実数ではないという意味で「虚数」ともいいます。 : 虚数単位 : 実部。などと表します。 : 虚部。などと表します。 です。 複素数 - 数式で独楽するここで…

複素数

実数に対し、 \begin{equation} z = x + y \, i \end{equation}で表される数を「複素数」といいます。実数ではないという意味で「虚数」ともいいます。 : 虚数単位 : 実部。などと表します。 : 虚部。などと表します。 です。2つの複素数 \begin{eqnarray} z…

行列のトレース

正方行列の対角成分の和を「トレース(trace、跡(せき))」といいます。 正方行列をとすると、トレースは \begin{equation} \mathrm{tr} A = \sum_{i=1}^n a_{ii} \end{equation}で定義されます。 定数倍 行列を定数倍すると、トレースも定数倍になります。 \b…

行列のべき乗を求める

行列が組の固有値と固有ベクトルを持つと仮定します。すなわち、 \begin{equation} A \boldsymbol{v}_i = \lambda_i \boldsymbol{v}_i \quad (i=1,2, \cdots , n) \tag{1} \end{equation}とします。 固有値・固有ベクトル - 数式で独楽する 各は一次独立であ…