数式で独楽する

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対角行列のべき乗

対角行列

「対角行列」とは、正方行列であり、対角成分$(i,i)$以外の成分が零であるものをいいます。
\begin{equation}
C = \left( \begin{array}{cccc}
c_1 &&& \Large{0} \\
& c_2 && \\
&& \ddots & \\
\Large{0} &&& c_n
\end{array} \right)
\end{equation}
対角行列 - 数式で独楽する

対角行列のべき乗

対角行列のべき乗は、成分のべき乗となります。

まず、
\begin{equation}
C^2 = C C = \left( \begin{array}{cccc}
{c_1}^2 &&& \Large{0} \\
& {c_2}^2 && \\
&& \ddots & \\
\Large{0} &&& {c_n}^2
\end{array} \right)
\end{equation}です。

次に、
\begin{equation}
C^k = \left( \begin{array}{cccc}
{c_1}^k &&& \Large{0} \\
& {c_2}^k && \\
&& \ddots & \\
\Large{0} &&& {c_n}^k
\end{array} \right)
\end{equation}と仮定すると、
\begin{equation}
C^{k+1} = C^k C = \left( \begin{array}{cccc}
{c_1}^{k+1} &&& \Large{0} \\
& {c_2}^{k+1} && \\
&& \ddots & \\
\Large{0} &&& {c_n}^{k+1}
\end{array} \right)
\end{equation}となります。

以上、数学的帰納法により、
数学的帰納法 - 数式で独楽する
\begin{equation}
C^m = \left( \begin{array}{cccc}
{c_1}^m &&& \Large{0} \\
& {c_2}^m && \\
&& \ddots & \\
\Large{0} &&& {c_n}^m
\end{array} \right)
\end{equation}を得ます。

つまり、対角行列のべき乗は、成分のべき乗となることが分かります。