「余」には、「それ以外」「そのほか」という意味があります。
主たる罪ではない罪を「余罪」といいます。
ある事象でない事象を「余事象」といいます。
角に対し、を「余角」といいます。
直角三角形の直角でない一方の角に対し、他方の角が「余角」となります。
では、余角の三角比を見ていきましょう。
図には一方の角に対して底辺と垂辺を定めています。
余角から見ると、底辺と垂辺の位置関係は逆数になります。
したがって、
\begin{eqnarray}
\sin (90^\circ - \theta) &=& \cos \theta \\
\cos (90^\circ - \theta) &=& \sin \theta \\
\tan (90^\circ - \theta) &=& \frac{1}{\tan \theta} = \cot \theta
\end{eqnarray}
となります。
ラジアンで書くと、次の通りです。
\begin{eqnarray}
\sin \left(\frac{\pi}{2} - \theta \right) &=& \cos \theta \\
\cos \left(\frac{\pi}{2} - \theta \right) &=& \sin \theta \\
\tan \left(\frac{\pi}{2} - \theta \right) &=& \frac{1}{\tan \theta} = \cot \theta
\end{eqnarray}
サインがコサインに、コサインがサインになります。
タンジェントは逆数になります。