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宝くじの当せん金の期待値

1枚の宝くじを買ったとき、当せん金の期待値はいくらか?

ということについて考えてみます。


わざわざ「当せん」と書きましたが、漢字で書くと、

当籤

となります。
「籤」は訓読みで「くじ」という字です。
当籤(当せん)とは、

籤(くじ)に当たる

ということです。そのまんまですね。
新聞記事などでひらがなで書いているのは、籤が当用漢字ではないためです。
ちなみに「くじ」は、

とも書きます。

さて、宝くじの当籤金についてみていきましょう。
期待値というのは、

1枚の宝くじを買ったとき、いくらの当籤金を期待できるか?

ということで、大体の場合、平均値と同じ意味で使っています。

サンプルとして、2018年の年末ジャンボ宝くじ

  • 当籤金
  • 本数

を見ていきます。次の表の通りです。

当籤金 x 本数 n(x) 当籤金計 x \cdot n(x)
1等
¥700,000,000
1
¥700,000,000
1等前後賞
¥150,000,000
2
¥300,000,000
1等組違い賞
¥100,000
199
¥19,900,000
2等
¥10,000,000
3
¥30,000,000
3等
¥1,000,000
100
¥100,000,000
4等
¥100,000
4,000
¥400,000,000
5等
¥10,000
20,000
¥200,000,000
6等
¥3,000
200,000
¥600,000,000
7等
¥300
2,000,000
¥600,000,000
当籤金合計
¥2,949,900,000

2022年の年末ジャンボ版はこちら。
宝くじの当せん金の期待値 2022年末ジャンボ版 - 数式で独楽する

表は、1ユニットあたりの値を示しています。
宝くじの1ユニットとは、
と言う前に、宝くじの番号がどうなっているかを見てみましょう。

○○組 1○○○○○

となっています。
1ユニットとは、

  • 全ての組
  • 全ての番号

の一揃いということです。
2018年の年末ジャンボの場合、

  • 組が200通り
  • 番号が10万通り

で、

  • 1ユニットで2000万本

あります。

昔は1ユニット1000万本だったような気がしますが、いつの間にか増えています。
今でも、ものによっては1ユニット1000万本です。

あと、一時、

2等が億

というのがあった気がしますが、いつの間にか世知辛くなっているようです。

さて、当籤金の平均値を見ていきましょう。
表では1ユニットあたりの当籤金の合計が出ています。
これを1ユニット2000万本で割ってやれば、1本あたりの当籤金の平均値が得られます。
すなわち、
\begin{equation}
2949900000 \div 20000000 = 147.495
\end{equation}円です。
1本が300円です。
寂しい結果が得られました。
1ユニット買っても、半分しか返って来ないのです。
残念です。

それはさておき。
1ユニットの当籤金の合計は、
\begin{equation}
\sum_i x_i n(x_i)
\end{equation}です。ここで、

  • iはラベル
  •  x_iはラベルiの当籤金
  •  n(x_i)は当籤金 x_iの本数

です。
1ユニットの当籤金の合計を1ユニットの本数 Nで割れば、
当籤金の平均値 E(X)が得られます。
\begin{eqnarray}
E(X) &=& \frac{\displaystyle{\sum_i x_i n(x_i)}}{N} \\
&=& x_i P(x_i)
\end{eqnarray}
ここで、 P(x_i)は、
\begin{equation}
P(x_i)=\frac{n(x_i)}{N}
\end{equation}で、当籤金が x_iとなる確率を意味します。

つまり、値 x_iとその確率 P(x_i)が分かっている場合、
その期待値 E(X)は、
\begin{equation}
E(X)=\sum_i x_i P(x_i)
\end{equation}で表すことができるのです。