1枚の宝くじを買ったとき、当せん金の期待値はいくらか?
ということについて考えてみます。
期待値というのは、
1枚の宝くじを買ったとき、いくらの当籤金を期待できるか?
ということで、大体の場合、平均値と同じ意味で使っています。
サンプルとして、2022年の年末ジャンボ宝くじの
- 当籤金
- 本数
を見ていきます。次の表の通りです。
賞 | 当籤金 | 本数 | 当籤金計 |
---|---|---|---|
1等 | ¥700,000,000 |
1 |
¥700,000,000 |
1等前後賞 | ¥150,000,000 |
2 |
¥300,000,000 |
1等組違い賞 | ¥100,000 |
199 |
¥19,900,000 |
2等 | ¥10,000,000 |
4 |
¥40,000,000 |
3等 | ¥1,000,000 |
40 |
¥40,000,000 |
4等 | ¥50,000 |
2,000 |
¥100,000,000 |
5等 | ¥10,000 |
60,000 |
¥600,000,000 |
6等 | ¥3,000 |
200,000 |
¥600,000,000 |
7等 | ¥300 |
2,000,000 |
¥600,000,000 |
当籤金合計 | ¥2,999,900,000 |
2018年末ジャンボ版はこちら。
宝くじの当せん金の期待値 - 数式で独楽する
表は、1ユニットあたりの値を示しています。
宝くじの1ユニットとは、
と言う前に、宝くじの番号がどうなっているかを見てみましょう。
○○組 1○○○○○
となっています。
1ユニットとは、
- 全ての組
- 全ての番号
の一揃いということです。
2022年の年末ジャンボの場合、
- 組が200通り
- 番号が10万通り
で、
- 1ユニットで2000万本
あります。
昔は1ユニット1000万本だったような気がしますが、いつの間にか増えています。
今でも、ものによっては1ユニット1000万本です。
あと、一時、
2等が億
というのがあった気がしますが、いつの間にか世知辛くなっているようです。
さて、当籤金の平均値を見ていきましょう。
表では1ユニットあたりの当籤金の合計が出ています。
これを1ユニット2000万本で割ってやれば、1本あたりの当籤金の平均値が得られます。
すなわち、
\begin{equation}
2999900000 \div 20000000 = 149.995
\end{equation}円です。
1本が300円です。
寂しい結果が得られました。
1ユニット買っても、半分しか返って来ないのです。
残念です。
2018年末ジャンボとの比較は次の通りです。
- 2等 : 3本 → 4本
- 3等 : 100本 → 40本
- 4等 : 10万円 → 5万円
- 4等 : 4万本 → 2万本
- 5等 : 2万本 → 6万本
胴元の取り分は減りましたが、それでも半分を超えています。
4等は当籤金も本数も半減しています。
子供のお年玉並みの5等の本数は増えていますが、小市民的幸せを得られる確率は小さくなっています。
「夢を買う」はずの宝くじ。夢を見れなくなっています。
それはさておき。
1ユニットの当籤金の合計は、
\begin{equation}
\sum_i x_i n(x_i)
\end{equation}です。ここで、
- iはラベル
- はラベルiの当籤金
- は当籤金の本数
です。
1ユニットの当籤金の合計を1ユニットの本数で割れば、
当籤金の平均値が得られます。
\begin{eqnarray}
E(X) &=& \frac{\displaystyle{\sum_i x_i n(x_i)}}{N} \\
&=& x_i P(x_i)
\end{eqnarray}
ここで、は、
\begin{equation}
P(x_i)=\frac{n(x_i)}{N}
\end{equation}で、当籤金がとなる確率を意味します。
つまり、値とその確率が分かっている場合、
その期待値は、
\begin{equation}
E(X)=\sum_i x_i P(x_i)
\end{equation}で表すことができるのです。