を2以上の整数とする。2以上の整数に対し、次の条件(イ)、(ロ)を満たす複素数の組の個数をとする。
このとき、次の問いに答えよ。(イ) に対し、かつ
(ロ)
(1) を求めよ。
(2) をの一方または両方を用いて表せ。
(3) を求めよ。
小問(1)の解答例
の場合、(イ)より、
\begin{eqnarray}
z_1 &=& \exp \left( \frac{2\pi i}{p} \, q_1 \right) \quad (1 \leqq q_1 \leqq p -1) \\
z_2 &=& \exp \left( \frac{2\pi i}{p} \, q_2 \right) \quad (1 \leqq q_2 \leqq p -1)
\end{eqnarray}とします。
すると(ロ)より
\begin{equation}
z_1 z_2 = \exp \left[ \frac{2\pi i}{p} \, (q_1 +q_2) \right] = 1
\end{equation}なので、自然数を用いて
\begin{equation}
q_1 +q_2 = lp
\end{equation}が成り立ちます。
一方、
\begin{equation}
2 \leqq q_1 +q_2 \leqq 2p -2
\end{equation}なので、
\begin{equation}
l = 1
\end{equation}です。
したがって、
- の選び方通りに対し、
- の選び方は1通り
となります。
よって
\begin{equation}
a_2 = p -1
\end{equation}です。
の場合、同様に(イ)より、
\begin{eqnarray}
z_1 &=& \exp \left( \frac{2\pi i}{p} \, q_1 \right) \quad (1 \leqq q_1 \leqq p -1) \\
z_2 &=& \exp \left( \frac{2\pi i}{p} \, q_2 \right) \quad (1 \leqq q_2 \leqq p -1) \\
z_3 &=& \exp \left( \frac{2\pi i}{p} \, q_3 \right) \quad (1 \leqq q_3 \leqq p -1) \end{eqnarray}とします。
すると(ロ)より
\begin{equation}
q_1 +q_2 +q_3 = lp
\end{equation}が成り立ちます。
また、
\begin{equation}
3 \leqq q_1 +q_2 +q_3 \leqq 3p -3
\end{equation}なので、
\begin{equation}
l \leqq 2
\end{equation}となります。
したがって、
- の選び方はそれぞれ通り
- の選び方は1通り
です。ただし
\begin{equation}
q_1 +q_2 = lp
\end{equation}の場合は省かれます。
よって
\begin{eqnarray}
a_3 &=& (p -1)^2 -(p -1) \\
&=& (p -1)(p -2)
\end{eqnarray}となります。
小問(2)の解答例
小問(1)と同様に、個の場合、
\begin{eqnarray}
z_k &=& \exp \left( \frac{2\pi i}{p} \, q_k \right) \\
k &=& 1,2, \cdots, n +2 \\
1 &\leqq & q_k \leqq p -1
\end{eqnarray}とすると、
\begin{equation}
q_1 +q_2 +\cdots +q_{n +2} = lp
\end{equation}です。
また、
\begin{equation}
n +2 \leqq q_1 +q_2 +\cdots +q_{n +2} \leqq (n +2)(p -1)
\end{equation}なので
\begin{equation}
l \leqq n +1
\end{equation}です。
したがって、
- の選び方はそれぞれ通り
- の選び方は1通り
です。ただし
\begin{equation}
q_1 +q_2 +\cdots +q_{n +1} = lp
\end{equation}となる場合を除きます。
よって、
\begin{equation}
a_{n +2} = (p -1)^{n +1} -a_{n +1}
\end{equation}を得ます。
小問(3)の解答例
小問(2)の結果より、
\begin{equation}
a_n = (p -1)^{n -1} -a_{n -1}
\end{equation}です。
これより、
\begin{eqnarray}
a_n -\frac{1}{p} \, (p -1)^n &=& -a_{n -1} +\frac{1}{p} \, (p -1)^{n -1} \\
& \vdots & \\
&=& (-1)^{n -2} \left \{ a_2 -\frac{1}{p} \, (p -1)^2 \right \} \\
&=& (-1)^n \left \{ p -1 -\frac{1}{p} \, (p -1)^2 \right \} \\
&=& (-1)^n (p -1) \left( 1 -\frac{p -1}{p} \right) \\
&=& (-1)^n \frac{1}{p} \, (p -1)
\end{eqnarray}となります。
よって、
\begin{equation}
a_n = \frac{1}{p} \left \{ (p -1)^n +(-1)^n (p -1) \right \}
\end{equation}を得ます。
解説
小問(1)はの場合を求めよとのことですが、の場合から求めるよりなさそうです。これが小問(2)の誘導になっています。
小問(3)の漸化式を解くくだりですが、を強引にとに分けています。