数式で独楽する

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3と9の倍数の判定法

倍数の判定法 - 数式で独楽する
本稿では3と9の倍数を判定する方法を紹介します。

判定法

3の倍数

各桁の合計が3の倍数

9の倍数

各桁の合計が9の倍数

解説

各桁の合計で判定しています。
それが可能であることを見ていきます。
10進法で a_n a_{n -1}\cdots a_2 a_1で表される$n$桁の数$N$は、次のように表現できます。
\begin{eqnarray}
N &=& \sum_{k=1}^n 10^{k -1} a_k \\
&=& a_1 +10a_2 +100a_3 + \cdots +10^{n-1} a_n \\
&=& (a_1 +a_2 + \cdots +a_n) +\left \{ (10 -1)\, a_2 +(100 -1)\, a_3 + \cdots +(10^{n -1} -1)\, a_n \right \} \\
&=& \sum_{k=1}^n a_k + \sum_{k=1}^{n -1} (10^k -1)\, a_{k+1}
\end{eqnarray}
3行目と4行目について、

  1. 前半は各桁の合計
  2. 後半は各桁の数字を取り除いた後に残る数

を表しています。
「各桁の合計」で判定できる所以は、後半部分にあるのです。

後半部分は、各桁の数字に関係なく9の倍数になります。
 10^k -1を書き下すと、

9, 99, 999, …

となります。また、
\begin{eqnarray}
10^k -1 &=& \frac{9(10^k -1)}{10 -1} \\
&=& 9 +90 +\cdots +9\cdot 10^{k -1}
\end{eqnarray}です。初項9、公比10、項数$k -1$の等比数列の和です。

以上より、各桁の合計が3または9の倍数であれば、元の数が3または9の倍数であることを示すことができました。

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