はじめに
ここでは、ポーカーの手札の組合せについて考えてみます。
前提
まず、簡単に考えるため、前提として、
- ワイルドカード(ジョーカー)抜きの52枚で考える
- 始めに配られた5枚で考える
こととします。
任意のカードの代わりとなるワイルドカード(ジョーカー)を入れると、組合せが膨大になります。
実際のポーカーでは手札の交換を1回できますが、考慮に入れるといろいろ煩雑になります。山札の順序も考えないといけないでしょうね。
という訳で、上記の前提で話を進めていきます。
この前提は、このシリーズで共通とします。
手札のパターン
いよいよ手札の組合せを考えていきます。
札の総数は52枚です。1枚を手札に選ぶと残りは51枚です。
以下、同様に5枚目まで選んでいきます。
- 1枚目の選び方…52通り
- 2枚目の選び方…51通り
- 3枚目の選び方…50通り
- 4枚目の選び方…49通り
- 5枚目の選び方…48通り
したがって、手札の選び方は5枚で、
\begin{equation}
52\cdot 51\cdot 50\cdot 49\cdot 48
= \frac{52!}{47!}={}_{52}P_5 = 311875200
\end{equation}通りとなります。
順序は考慮しない
ポーカーでは、手札がどういう順序で並んでいるかを考慮しません。
つまり、
- a-b-c-d-e
- e-d-c-b-a 等
は同一のものとして扱います。
モノが同じで並びが異なる場合は、重複するということです。
5枚の札が配られたとき、その5枚の並べ方を考えると次の通りになります。
- 1枚目…5通り
- 2枚目…4通り
- 3枚目…3通り
- 4枚目…2通り
- 5枚目…1通り
したがって、5枚の手札の並べ方
\begin{equation}
5\cdot 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1=5!=120
\end{equation}通りが重複することとなります。
120通りの並べ方が1通りの組合せに集約されるので、この分を割ってやる必要があります。
まとめ
以上をまとめると、手札5枚の組合せは、
\begin{equation}
\frac{52\cdot 51\cdot 50\cdot 49\cdot 48}{5\cdot 4\cdot 3\cdot 2\cdot 1}
=\frac{52!}{5! 47!}={}_{52}C_5=2598960
\end{equation}通りとなります。
補足
順列
個の中から個を取り出して並べるとき、
その並べ方の個数を「順列」といい、と書きます。
\begin{equation}
{}_{n}P_r=n(n-1)\cdot\cdots\cdot(n-r+1)=\frac{n!}{(n-r)!}
\end{equation}
「並べ方」と書きましたが、順序を考慮します。
組合せ
個の中から個を取り出すとき、
その取り出し方の個数を「組合せ」といい、と書きます。
\begin{equation}
{}_{n}C_r
=\frac{n\cdot (n-1)\cdot \cdots \cdot (n-r+1)}{r\cdot (r-1)\cdot \cdots \cdot 2\cdot 1}
=\frac{n!}{r! (n-r)!}
\end{equation}
こちらは順序を考慮しません。
階乗
1からまでの自然数をかけたものをの階乗といい、と書きます。
\begin{equation}
n!=1\cdot 2 \cdot \cdots \cdot n
\end{equation}です。なお、
\begin{equation}
0!=1
\end{equation}であり、
\begin{equation}
{}_{n}P_n =n!
\end{equation}です。