箱の中に1からまでの番号のついた枚の札がある。ただしとし、同じ番号の札はないとする。この箱から3枚の札を同時に取り出し、札の番号を小さい順にとする。このとき、かつとなる確率を求めよ。
解答例
求める確率は、がいずれも連続する番号、つまり連番にならない確率です。
まず、あり得る組合せを求めます。これを通りとします。枚の札から3枚を取り出す組合せなので
\begin{equation}
M = {}_n C_3 = \frac{n(n -1)(n -2)}{6} \tag{1}
\end{equation}です。
次に、3枚のうちに連番ができる組合せを考えていきます。
3枚が連番になる組合せを通りとすると、
\begin{equation}
m_{XYZ} = n -2 \tag{2}
\end{equation}です。
2枚が連番になる組合せを考えます。
のみが連番になる組合せをとします。
\begin{eqnarray}
Y &=& k +2 \\
Z &=& k +3 \quad (k = 1,2, \cdots , n -3)
\end{eqnarray}の場合、あり得るは
\begin{equation}
X = 1, 2, \cdots , k
\end{equation}の通りです。
のみが連番となるのはの場合を足し上げればよく、
\begin{equation}
m_{YZ} = \sum_{k = 1}^{n -3} = \frac{(n -3)(n -2)}{2} \tag{3}
\end{equation}となります。
のみが連番となる組合せをとします。
これはが連番となる場合を反転させて考えればよく、
\begin{equation}
m_{XY} = m_{YZ} = \frac{(n -3)(n -2)}{2} \tag{4}
\end{equation}となります。
式(2)~(4)より、3枚のうち少なくとも2枚が連番となる組合せは
\begin{eqnarray}
m &=& m_{XYZ} +m_{XY} +m_{YZ} \\
&=& (n -2) +2 \times \frac{(n -3)(n -2)}{2} \\
&=& (n -2)^2 \tag{5}
\end{eqnarray}となります。
したがって、式(1), (5)より、3枚が連番にならない組合せは
\begin{eqnarray}
\bar{m} &=& M -m \\
&=& \frac{n(n -1)(n -2)}{6} -(n -2)^2 \\
&=& \frac{(n -2) \left \{ n(n -1) -6(n -2) \right \}}{6} \\
&=& \frac{(n -2)(n ^2 -n -6n +12)}{6} \\
&=& \frac{(n -2)(n^2 -7n +12)}{6} \\
&=& \frac{(n -2)(n -3)(n -4)}{6} \tag{6}
\end{eqnarray}となります。
よって、式(1), (6)より、求める確率は
\begin{eqnarray}
P &=& \frac{\bar{m}}{M} \\
&=& \cfrac{\ \cfrac{(n -2)(n -3)(n -4)}{6} \ }{\cfrac{n(n -1)(n -2)}{6}} \\
&=& \frac{(n -3)(n -4)}{n(n -1)}
\end{eqnarray}となります。
解説
条件を表す式の意味するところを、読み解く必要があります。
連番とならない確率なのですが、正面から連番とならない組合せを考えるのは面倒です。そこで、連番となる組合せを考えて、全ての組合せから引いています。
確率は、
\begin{equation}
\mbox{確率} = \frac{\mbox{当該の組合せ}}{\mbox{全ての組合せ}}
\end{equation}で考えるのが基本です。
結果を見ると、意外と美しい形をしています。