ストレート>フラッシュ?
ストレートがフラッシュよりも強い、ということを聞くことがあります。
実際にポーカーをしてみると、そんなふうに考えるのも無理もないとも思えます。
なぜでしょう?
考えてみました。
あと1枚でフラッシュになるというとき、
同じスートの残り「9枚」のうちの1枚を引けばフラッシュになる
あと1枚でストレートになるというとき、
手札にない数字「4枚または8枚」のうちの1枚を引けばストレートになる
というところなのだろうと思います。
では、その考え方が妥当なものかどうか、考察していきましょう。
役に必要な5枚のうち4枚を持っている状況
簡単に考えてみましょう。
あと1枚でストレート、あと1枚でフラッシュ、
というのがどれほどのものなのか、考えていくことにします。
4枚の組合せ
まず、4枚の組合せを考えていきます。
52枚の中から4枚を選ぶ組合せになるので、
\begin{equation}
{}_{52}C_4=270725
\end{equation}通りとなります。
あと1枚でフラッシュになる4枚の組合せ
あと1枚でフラッシュになる4枚の組合せは、
- 特定のスート13枚の中から4枚を選び、
- スートが4種類ある
ことから、
\begin{equation}
{}_{13}C_4\times 4=2860
\end{equation}通りとなります。
この段階で、ストレートフラッシュの可能性は考慮しなくてもよいです。
あと1枚でストレートになる4枚の組合せ
あと1枚でストレートになる4枚の組合せを考えてみます。
まず数字の組合せを考えてみると、
- 3-4-5-6のような4連続の数字となるのが11通り
- 3-ヌケ-5-6-7のパターンが10通り
- 3-4-ヌケ-6-7のパターンが10通り
- 3-4-5-ヌケ-7のパターンが10通り
その各々について、4枚のスートのパターンが4通りずつあります。
よって、
\begin{equation}
(11+3\times 10)\times 4^4=10496
\end{equation}通りとなります。
4枚組のまとめ
ここまでをまとめると次の通りとなります。
役 | 組合せ |
---|---|
全体 | 270725 |
フラッシュ | 2860 |
ストレート | 10496 |
あと1枚でストレートの確率は、
あと1枚でフラッシュの確率の約3.5倍
と言うことができますね。
役に必要な札の残り枚数
前の項目では、あと1枚で役が完成する状況の組合せを見てきました。
実際に役を完成させるには、役に必要な札をあと1枚手に入れる必要があります。
ここでは、役に必要な札がどれだけ残っているのかを考えます。
なお、簡単に考えるため、他のプレイヤーの手札のことは考えないことにします。
フラッシュの場合
既に同一のスートを4枚持っています。
したがって、フラッシュが完成する札は9枚残っています。
こちらは簡単ですね。
ストレートの場合
こちらは場合分けが必要なのでややこしいです。
上記の2項から4項の場合、役が完成する札は4枚です。
1項の場合、
- A-2-3-4やJ-Q-K-Aの場合は4枚
- それ以外は8枚
です。
したがって、役が完成する札が
- 4枚になるのが32通り
- 8枚になるのが9通り
になります。
平均をとってみましょう。
\begin{equation}
4\times \frac{32}{41}+8\times \frac{9}{41}=\frac{200}{41} \approx 4.88
\end{equation}枚となります。
役になる1枚のまとめ
よって、あと1枚で役が完成するという時、
- フラッシュは9枚
- ストレートは約4.88枚
フラッシュはストレートの2倍弱
の札が残っているということになります。
まとめ
以上をまとめると、
- 4枚揃えるのはストレートがフラッシュの約3.5倍
- あと1枚ではストレートはフラッシュの約半分
というところになります。
一方で、
5枚で比較するとストレートはフラッシュの約2倍
なので、本稿の推論はあながち間違ってはいないのではないかと考えます。