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三平方の定理。方べきの定理を用いる

三平方の定理」、別名「ピタゴラスの定理」は、

直角三角形の斜辺の2乗は、他の2辺の2乗の和に等しい

というものです。


直角三角形の斜辺の長さを d、他の2辺の長さを l, rとすると、
\begin{equation}
d^2=l^2+r^2
\end{equation}が成り立つ、ということです。

証明は数多くあります。

本稿では、方べき(方冪)の定理を用います。
方べきの定理とは、

円Oとその円周上にない点Pを通る直線との交点をA, Bとすると、
\begin{equation}
\mathrm{P A} \cdot \mathrm{PB} = 一定
\end{equation}

というものです。
言い方は色々ありますが、これはそのうちの1つということです。
2点A, Bが一致、つまり直線が円に接していても成り立ちます。

それを踏まえて本題です。

半径 rの円Oがあります。
円Oの外部の点Aから円Oの接線を引き、接点をB、AB= lとします。
また、直線AOを引き、円Oとの交点をC, Dとします。OA= dとします。
なお、AOと円Oは接しているので、角Bは直角です。

見方を変えると、
直角三角形OABの頂点Oを中心に、半径OBの円を描いた
とも言えます。

方べきの定理により、
\begin{equation}
(d-r)(d+r)=l^2
\end{equation}が成り立ちます。

左辺を展開して、
\begin{equation}
d^2-r^2=l^2
\end{equation}整理すると、
\begin{equation}
d^2=l^2+r^2
\end{equation}となります。