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東大2005年前期 理科 第4問

3以上9999以下の奇数 a a^2 -aが10000で割り切れるものをすべて求めよ。

解答例

\begin{eqnarray}
a^2 -a &=& a(a -1) \\
10000 &=& 2^4 \cdot 5^4
\end{eqnarray}なので、 a, \ a-1のいずれかに因数 5^4が含まれることになります。連続2整数の両方に因数5を含むことはあり得ません。

 a -1=5^4 n \ (n \in \mathbb{N})を仮定します。
 aは奇数なので a -1は偶数です。
 a(a -1)が10000で割り切れることを考慮すると、
\begin{equation}
a -1=10000n
\end{equation}となります。しかし a \leqq 9999であるため、不適です。

したがって、条件を満たすのは
\begin{equation}
a = 5^4 n =625n \ (n \in \mathbb{N})
\end{equation}のみとなります。 a \leqq 9999を考慮すると、
\begin{equation}
n = 1,3,5,7,9,11,13,15
\end{equation}です。

 n=3,7,11,15の場合
 aの下2桁は75です。
 a -1の下2桁は74で、偶数ですが4の倍数にもなりません。
つまり a(a -1)は10000の倍数にはなりません。

 n=1,5,9,13の場合
\begin{array}{|c|rl|rl|}
\hline
n && a && a -1 \\ \hline
1 & 625 & =5^4 & 624 & = 2^4 \cdot 39 \\
5 & 3125 & =5^5 & 3124 & =2^2 \cdot 781 \\
9 & 5625 & =3^2 \cdot 5^4 & 5624 & = 2^3 \cdot 703 \\
13 & 8125 & =5^4 \cdot 13 & 8124 & =2^2 \cdot 2031 \\ \hline
\end{array}なので、 条件に合致するのは
\begin{equation}
a =625
\end{equation}のみです。

解説

 a^2 -a = a(a -1)は連続2整数の積です。10000の倍数になるので、候補は相当限られることになります。
連続2整数なので、因数 5^4はどちらかに入ることになります。
あり得ないパターンをまとめて潰していけるかが鍵なのでしょう。
候補を絞れれば計算が楽になります。