は0でない相異なる複素数で、を満たすとする。このとき、の表す複素平面上の3点を結んで得られる三角形はどのような三角形か。
解答例
\begin{equation}
\frac{\alpha}{\beta} +\frac{\bar{\alpha}}{\bar{\beta}} = \frac{\alpha \bar{\beta} +\bar{\alpha} \beta}{|\beta|^2} = 2
\end{equation}なので、
\begin{equation}
\alpha \bar{\beta} +\bar{\alpha} \beta = 2|\beta|^2
\end{equation}となります。
これより、
\begin{eqnarray}
|\alpha -\beta|^2 &=& (\alpha -\beta)(\bar{\alpha} -\bar{\beta}) \\
&=& |\alpha|^2 +|\beta|^2 -\alpha \bar{\beta} -\bar{\alpha} \beta \\
&=& |\alpha|^2 -|\beta|^2
\end{eqnarray}つまり
\begin{equation}
|\alpha -\beta|^2 +|\beta|^2 = |\alpha|
\end{equation}を得ます。
共軛複素数 その2 - 数式で独楽する
三平方の定理の定理の逆三平方の定理の逆 - 数式で独楽する
により、は、頂点を直角とする直角三角形をなすことが分かります。
解説
「どのような三角形か」を論ずるにあたり、評価するのは
- 辺の長さ
- 角の大きさ
のいずれかになるはずです。
本稿では、取り敢えずでもでもないを評価してみるとピタリと嵌まった印象です。
なお、本稿は別の解法
2005年前期 京大 文系 第3問 別解 - 数式で独楽する
で解いたことを踏まえて本稿の解法に至ったものです。
こういうやり方もあります。
2005年前期 京大 文系 第3問 別解2 - 数式で独楽する