は0でない相異なる複素数で、を満たすとする。このとき、の表す複素平面上の3点を結んで得られる三角形はどのような三角形か。
解答例
\begin{equation}
\frac{\alpha}{\beta} +\frac{\bar{\alpha}}{\bar{\beta}} = 2
\end{equation}なので、
\begin{equation}
\frac{\alpha}{\beta} = 1 +iq \quad (q \in \mathbb{R}) \tag{1}
\end{equation}であることが分かります。
式(1)を変形していきます。
\begin{eqnarray}
\frac{\alpha}{\beta} -1 &=& iq \\
\frac{\alpha -\beta}{\beta} &=& iq \\
\therefore \quad \alpha -\beta &=& iq \beta \tag{2}
\end{eqnarray}
式(2)は、が複素平面上でに対し90°の角をなすことを示しています。
つまり、が頂点を直角とする直角三角形であることを示しています。
解説
虚数単位を掛けると、複素平面上で90°回転するということを用いています。
共役(共軛)との和が与えられているので式(1)が出てくるのですが、そのことに気付くかどうかがこの解法のポイントの一つでしょう。
どのような三角形をなすかを判断する上で、を評価することになります。その発想のため、式(1)から式(2)への変形となっています。
本稿も、
2005年前期 京大 文系 第3問 - 数式で独楽する
と同じく
2005年前期 京大 文系 第3問 別解 - 数式で独楽する
の後に考えついたものです。