を正の整数とし、の範囲で定義された2曲線
\begin{equation}
C_1 \ : \ y = \cos x, \quad C_2 \ : \ y = \frac{1 -x^2}{1 +x^2}
\end{equation}を考える。(1) とは共有点をもつことを示し、その点におけるの接線は点(0, 1)を通ることを示せ。
(2) との共有点はただ1つであることを証明せよ。
小問(1)の解答例
小問(2)の解答例
曲線上の点における接線の切片は
\begin{equation}
h(t) = t \sin t +\cos t
\end{equation}です。
\begin{eqnarray}
h'(t) &=& \sin t +t \cos t -\sin t \\
&=& t \cos t
\end{eqnarray}なので、の増減は次のようになります。
\begin{array}{|c|ccccc|}
\hline
t & 2k \pi & \cdots & (2k +\frac{1}{2}) \pi & \cdots & (2k +1) \pi \\ \hline
h'(t) && + & 0 & - & \\ \hline
h(t) & 1 & \nearrow && \searrow & -1 \\ \hline
\end{array}
したがって、で
\begin{equation}
h(t) = t \sin t +\cos t = 1 \tag{1}
\end{equation}となるはただ1つ存在します。
ところで、小問(1)の結果により、式(1)は
- 曲線上の点から接線を引いたときに点(0, 1)を通るための条件である
- その上の点は、曲線との共有点である
ことを示すものでした。
以上のことから、両者の共有点がただ1つであることが示されます。
解説
前半のは共に定義域で単調減少ですが、も単調減少であるとは言い切れません。共有点はただ1つであることを直接示すのは難しい状況です。
本問では、共有点における接線が(0, 1)を通ることを用い、共有点がただ1つであることを間接的に示しています。