を自然数とする。個の箱があり、1からまでの番号が付いている。番号1からまでの箱に入っている玉は白玉で、番号の箱に入っている玉は赤玉である。次の操作(*)を、各々のに対して、が小さい方から順番に1回ずつ行う。
(*) 以外の番号の個の箱から1個の箱を選び、その箱の中身と番号の箱の中身を交換する。(ただし、個の箱から1個を選ぶ事象は、どれも同様に確からしいとする。)
操作がすべて終了した後、赤玉が番号の箱に入っている確率を求めよ。
解答例
条件を満たすのは、回の操作の後に番号の箱に赤玉が入っていない場合に限られます。
回の操作の後に番号の箱に赤玉が入っているのは、回の操作のいずれもで番号の箱と中身を入れ替えなかった場合です。その確率は
\begin{equation}
\left( 1 -\frac{1}{N} \right)^N
\end{equation}です。
したがって、回の操作の後に、番号の箱に赤玉が入っていない確率は
\begin{equation}
1 -\left( 1 -\frac{1}{N} \right)^N
\end{equation}となります。*1
この時点で、番号1からまでの箱のいずれかに赤玉が入っています。回目の操作でその箱を選ぶ確率はです。
よって、求める確率は、
\begin{equation}
\frac{1}{N} \left \{ 1 -\left( 1 -\frac{1}{N} \right)^N \right \}
\end{equation}となります。
解説
確率の問題では、条件を満たす状況はどのようなものかを、丁寧に読み解く必要があります。
読み解くことができれば、余事象を用いて当該の確率を求めることになります。
*1:余事象です。