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2003年前期 京大 理系 第6問

 nチームがリーグ戦を行う。すなわち、各チームは他のすべてのチームとそれぞれ1回ずつ対戦する。引き分けはないものとし、勝つ確率はすべて \displaystyle \frac{1}{2}で、各回の勝敗は独立に決まるものとする。このとき、 n -2勝1敗のチームがちょうど2チームである確率を求めよ。ただし、 nは3以上とする。

解答例

条件を満たす状況は次の通りです。
便宜上、A, B, Cの記号を付けます。

  • チームAはチームBに負け、残りの全チームに勝つ。
  • チームBはチームCに負け、残りの全チームに勝つ。*1
  • チームCはチームBに負けてチームAに勝ち、残りのチームに対しては全勝しない。*2

これを踏まえて確率を求めていきます。

まず、チームAの選び方は n通りです。
チームAが n -2勝1敗となる確率 p_1は、
\begin{equation}
p_1 = (n -1) \left( \frac{1}{2} \right)^{n -1}
\end{equation}です。

ここでチームAが負けた相手をチームBとします。
チームBはチームAに勝っており、残りを n -3勝1敗となる確率 p_2
\begin{equation}
p_2 = (n -2) \left( \frac{1}{2} \right)^{n -2}
\end{equation}です。

さらに、チームBが負けた相手をチームCとします。
チームCは、チームBに勝ち、チームAには負けています。
残り n -3戦を全勝しない確率 p_3は、
\begin{equation}
p_3 = 1 -\left( \frac{1}{2} \right)^{n -3}
\end{equation}です。

以上より、求める確率 Pは、
\begin{eqnarray}
P &=& n p_1 p_2 p_3 \\
&=& n(n -1) \left( \frac{1}{2} \right)^{n -1} (n -2) \left( \frac{1}{2} \right)^{n -2} \left \{ 1 -\left( \frac{1}{2} \right)^{n -3} \right \} \\
&=& n(n -1)(n -2) \left( \frac{1}{2} \right)^{2n -3} \left \{ 1 -\left( \frac{1}{2} \right)^{n -3} \right \}
\end{eqnarray}となります。

解説

条件を満たす状況はどのようなものなのかを読み解くのが肝です。
三竦みにならない状況ということで、余事象を考えることになります。

*1:チームAには勝っています。

*2:全勝するとA, B, Cの3チームが n -2勝1敗となります。条件を満たしません。