孤独の8

「孤独の8」とは、下平和夫氏の虫食い算です。『新数学事典』にあるそうです。
wikipedia:孤独の7
虫食いの掛け算の筆算です。ただ1か所8が入っているのみで、あとは全て虫食いになっています。

\begin{array}{cccc}
& \Box & \Box & \Box \\
\times && 8 & \Box \\ \hline
\Box & \Box & \Box & \Box \\
\Box & \Box & \Box \\ \hline
\Box & \Box & \Box & \Box
\end{array}

解いてみます。

(1)

4行目
□□□×8=□□□
なので、1行目の百の位は1です。
2にすると、4行目が4桁になってしまいます。

(2)

3行目
1□□×□=□□□□
に着目します。
8を掛けると積は3桁なので、積を4桁にするには9を掛けるしかありません。このとき、積の千の位は1になります。(19×9=171)

\begin{array}{cccc}
& 1 & \Box & \Box \\
\times && 8 & 9 \\ \hline
1 & \Box & \Box & \Box \\
\Box & \Box & \Box \\ \hline
\Box & \Box & \Box & \Box
\end{array}

(3)

千の位
1+□=□
ですが、(1)項の
1□□×8=□□□
を踏まえると、
1+8=9
となります。
\begin{array}{cccc}
& 1 & \Box & \Box \\
\times && 8 & 9 \\ \hline
1 & \Box & \Box & \Box \\
8 & \Box & \Box \\ \hline
9 & \Box & \Box & \Box
\end{array}

(4)

再び4行目
1□□×8=8□□
なので、1行目の十の位は1が入ります。(11×8=88, 12×8=96)
\begin{array}{cccc}
& 1 & 1 & \Box \\
\times && 8 & 9 \\ \hline
1 & \Box & \Box & \Box \\
8 & \Box & \Box \\ \hline
9 & \Box & \Box & \Box
\end{array}

(5)
11□×9=1□□□
11□×8=8□□
なので1行目は112になります。(111×9=999, 113×8=904)

これで、虫食いは全て埋まります。
\begin{array}{cccc}
& 1 & 1 & 2 \\
\times && 8 & 9 \\ \hline
1 & 0 & 0 & 8 \\
8 & 9 & 6 \\ \hline
9 & 9 & 6 & 8
\end{array}