積分とは、
- ある変数によってある値が変化する関係にある、すなわちある値がある変数の関数になっている場合に、
- 変数をごく僅かに変化させて値を積み重ねていくと、
- どのようなものになっていくのか
をみていくということです。
過去における一瞬、一瞬の積み重ねが、現在の世界を形作っている
ようなものでしょうか。
こんなことを書いていると、「こいつ何言ってんだ」と後ろ指を差されそうです。
例えば、
速度が時間に対して一定でない物体の運動においても、
時間を追っていくと物体の移動量を求めることができる
ということでもあります。
さて。
数式を使って記述していきます。
値は変数と関数を用いて
\begin{equation}
y=f(x) \tag{1}
\end{equation}と表されるものとします。
領域でを積み上げて得られるものを評価します。
領域内の点周りの微小領域におけるによる積み上げ量は、
\begin{equation}
\Delta Y_i = f(x_i) \Delta x_i \tag{2}
\end{equation}です。
領域で和を取ります。
\begin{equation}
\sum_i \Delta Y_i = \sum_i f(x_i) \Delta x_i
\end{equation}となります。
領域の分割数を用いて書くと、
\begin{equation}
\sum_{i=1}^n \Delta Y_i = \sum_{i=1}^n f(x_i) \Delta x_i \tag{3}
\end{equation}です。
分割数をとします。
\begin{equation}
\lim_{n \to \infty} \sum_{i=1}^n \Delta Y_i = \lim_{n \to \infty} \sum_{i=1}^n f(x_i) \Delta x_i \tag{4}
\end{equation}となります。
このとき、
\begin{equation}
\Delta x_i \to 0, \qquad \Delta Y_i \to 0
\end{equation}となります。
また、式(4)を、
\begin{equation}
\int_R dY = \int_R f(x)dx \tag{5}
\end{equation}と記述します。
記号の対応は次の通りです。
\begin{eqnarray}
\lim_{n \to \infty} \sum_{i=1}^n & \to & \int_R \\
\Delta Y_i & \to & dY \\
\Delta x_i & \to & dx
\end{eqnarray}
記号の意味を理解していけば、怖れることはありません。
式(5)の左辺は、を領域で積み上げて得た量そのものです。
\begin{equation}
Y = \int_R \, dY
\end{equation}
なお、式(2)を
\begin{equation}
\frac{\Delta Y_i}{\Delta x_i} = f(x_i)
\end{equation}と書くと、で
\begin{equation}
\frac{dY}{dx} = f(x) \tag{6}
\end{equation}となります。
式(6)は、をで微分するととなる、ということです。
ここまでの話を図で表すとこういう感じです。
式(3)の様子が、図で表されています。
分割を細かくしていくと、式(5)となります。
図では、曲線と軸に挟まれた領域の面積として現れています。
領域は図ではとなっています。
この場合、
\begin{equation}
\int_R f(x)dx = \int_a^b f(x) \, dx
\end{equation}と記述します。