数式で独楽する

数式を使って楽しむブログです

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1+2+3+4+┅=?

\begin{equation}
1+2+3+4+\cdots = -\frac{1}{12}
\end{equation}


1から順に自然数を足すと、-1/12になる、というものです。
非常に不思議な関係です。極めつけです。
この主張について、見ていきましょう。

級数が収束するものとして収束値を求める

以下に示す級数が「収束するものとして」、収束値を Sとします。
\begin{equation}S = 1-2+3-4+\cdots
\end{equation}

ここで、
1+2+3+4+┅

1-2+3-4+┅
を比較してみましょう。

\begin{eqnarray}
1-2+3-4+\cdots &=& 1 &+2 &+3 &+4 &+5 &+6&+7 &+8 &+ \cdots \\
&&&-4 &&-8 &&-12 &&-16 &- \cdots \tag{1}
\end{eqnarray}

また、次の級数が「収束するものとして」、収束値を cとします。
\begin{equation}
c=1+2+3+4+\cdots
\end{equation}

式(1)は、
\begin{equation}
S=c-4c
\end{equation}つまり、
\begin{equation}
S=-3c
\end{equation}となります。

ここで、
1-2+3-4+┅=? - 数式で独楽する
で導いた、
\begin{equation}
S=\frac{1}{4}
\end{equation}を用いると、
\begin{equation}
c=-\frac{1}{12}
\end{equation}つまり
\begin{equation}
1+2+3+4+\cdots = -\frac{1}{12}
\end{equation}が得られます。

どこが怪しいのか?

不思議な関係です。上の記述で怪しいところは、次の通りです。

級数が収束するものとしている

級数が収束するかどうか分からないにもかかわらず、収束する前提で論を進めています。
級数の各項は発散しています。
当然、和は発散します。

和の順序を入れ替えている

恣意的に和の順序を入れ替えて、収束するものとしています。

ということで、本稿の内容を飲み下すには、さらに高度な数学が必要です。