数式で独楽する

数式を使って楽しむブログです

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放物線状の鏡

放物線の焦点には次のような性質があります。

放物線状の鏡がある。
軸に平行に光を入射すると、焦点に達する。

幾何学的に言い換えると、次のようになります。

放物線上の点P、焦点Fおよび点Pから準線に下ろした垂線の足Hについて、線分FP, HPはそれぞれ点Pにおける放物線の接線と等しい角をなす。

パラボラアンテナ - 数式で独楽する
では、このことを代数的に導きましたが、本稿では視点を変えて考えていきます。
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まず、

  • F : 放物線の焦点
  • P : 放物線上の任意の点
  • H : 点Pより準線に下ろした垂線の足

とします。式で書くと、

PF = PH (1)

です。△PFHは二等辺三角形です。

ここで、点Pから線分FHに垂直を下ろし、足をQとします。

PQ⊥FH (2)

です。
すると、式(1), (2)より△PFH≡△QPH*1なので、

∠FPQ = ∠HPQ (3)

となります。

式(3)は、

∠FPQ = ∠HPQの対頂角

でもあるので、
線分PF, PHが直線PQとなす角は等しい

ということになります。

さて、ここで直線PQとは何か、が気になります。

  • 点Pは放物線上の点である
  • 点Pを除く直線PQ上の点は、全て放物線の外側にある

ので、

直線PQは点Pにおける放物線の接線である

ということが分かります。
したがって、
PF, PHが接線となす角の大きさが等しい

ことが分かります。

*1:直角三角形の合同です。もうひとつの条件は「PQは共通」です。