平面内で軸上の点Pを中心とする円が2つの曲線
\begin{eqnarray}
C_1 : & \ y &=& \sqrt{3} \log (1+x) \\
C_2 : & \ y &=& \sqrt{3} \log (1 -x)
\end{eqnarray}と点A、点Bで接しているとする。さらに△PABはAとBが軸に関して対称な位置にある正三角形であるとする。このとき、3つの曲線で囲まれた部分の面積を求めよ。ただし、2つの曲線がある点で接するとは、その点を共有し、さらにその点において共通の接線をもつことである。
曲線と曲線で囲まれた部分の面積を求める問題は、積分を学習すると必ず登場します。
本問もその類いですが、円を表す式が明示されていません。
このため、問題文に書かれてある条件から、円を表す式を求めることが必要になります。
関数を
\begin{eqnarray}
f_1(x) &=& \sqrt{3} \log (1+x) \\
f_2(x) &=& \sqrt{3} \log (1 -x)
\end{eqnarray}とすると、
\begin{eqnarray}
f_1'(x) &=& \frac{\sqrt{3}}{1 +x} \\
f_2'(x) &=& \frac{\sqrt{3}}{1 -x}
\end{eqnarray}です。*1
与えられた条件から、点A, Bの座標を求めていきます。
同様に、曲線が点Bで接するということは、点Bにおける曲線の法線が点Pを通るということです。*2
さらに、
- 曲線は軸に関して対称
- 円は軸に関して対称
なので、
- 2点A, Bは軸に関して対称
となります。
つまり、両点の座標は等しくなります。
言い換えると、線分ABと軸は平行であることが分かります。
△PABは正三角形なので、法線の傾きはそれぞれである必要があります。*3
すなわち、
\begin{eqnarray}
- \frac{1 +x_1}{\sqrt{3}} &=& - \sqrt{3} \\
\frac{1 -x_2}{\sqrt{3}} &=& \sqrt{3}
\end{eqnarray}なので、
\begin{eqnarray}
x_1 &=& 2 \\
x_2 &=& -2
\end{eqnarray}となります。
AB=4なので、
\begin{equation}
\mathrm{P A} =\mathrm{PB} =4
\end{equation}となります。
円の半径が出ました。
\begin{equation}
y = -\sqrt{3} (x -2) + \sqrt{3} \log 3 \tag{1}
\end{equation}となります。*4
式(1)でとすると、
\begin{equation}
y = \sqrt{3}(2 + \log{3})
\end{equation}となります。
したがって、点Pの座標は、
\begin{equation}
\mathrm{P} (0, \ \sqrt{3}(2 + \log{3}))
\end{equation}となります。
よって、円を表す式は、
\begin{equation}
x^2 + \left( y - \sqrt{3}(2+\log{3}) \right)^2 = 16
\end{equation}となります。
曲線に囲まれた部分の面積を求めるには、円の下半分を考慮すればよいので、の式を
\begin{equation}
y = f(x) = -\sqrt{16 -x^2} + \sqrt{3}(2 + \log{3})
\end{equation}と書き直します。