数式で独楽する

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パラボラアンテナ

パラボラアンテナの軸に平行に電波を入射すると、反射した電波は1点に集中します。


「パラボラ(parabola)」とは英語で放物線のことです。
漢字は「抛物線」とも書きます。物を放(ほう)った(抛(ほう)った)ときの物の軌跡です。そのままです。

次のように考えていきます。
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放物線 y=x^2に、 x=x_0に沿って電波を入射させます。
電波は点 (x_0, {x_0}^2)で放物線とぶつかり、反射します。
この反射線を式で表すことを考えます。

この反射ですが、点 (x_0, {x_0}^2)で放物線の接線で反射すると考えることができます。接線の傾きは、 2x_0です。

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入射線と接線の為す角をθとすると、反射線と接線の為す角は2θです。
\begin{equation}
\tan \theta = \frac{1}{2x_0}
\end{equation}なので、
\begin{eqnarray}
\tan 2 \theta &=& \frac{2 \tan \theta}{1 - \tan^2 \theta} \\
&=& \cfrac{\cfrac{1}{x_0}}{1- \cfrac{1}{4{x_0}^2}} \\
&=& \frac{4x_0}{4{x_0}^2 -1}
\end{eqnarray}となります。
よって、反射線の傾きは \displaystyle  \frac{4{x_0}^2 -1}{4x_0}となります。
これより、反射線の式を求めます。
反射線は点 (x_0, {x_0}^2)を通るので、反射線の式は、
\begin{eqnarray}
y &=& \frac{4{x_0}^2 -1}{4x_0} (x -x_0) +{x_0}^2 \\
&=& \frac{4{x_0}^2 -1}{4x_0}\, x - \frac{4{x_0}^2 -1}{4} + {x_0}^2 \\
&=& \frac{4{x_0}^2 -1}{4x_0} \, x + \frac{1}{4}
\end{eqnarray}となります。

さて、この反射線の式を見てみましょう。
\begin{equation}
y = \frac{4{x_0}^2 -1}{4x_0} \, x + \frac{1}{4}
\end{equation}入射線 x=x_0に依らず、点 \displaystyle \left( 0, \frac{1}{4} \right)を通ることが分かります。
この点は、放物線 y=x^2の焦点になっています。