平面ベクトルに対して実数を対応させる写像が次の性質(*)を持っている。
(*) 任意の平面ベクトルに対して、が成り立つ。
このとき、任意の平面ベクトルに対して、が成り立つことを証明せよ。
解答例
性質(*)に掲げられた式
\begin{equation}
f(\vec{a} +\vec{b}) = f(\vec{a}) +f(\vec{b})
\end{equation}においてとすると、
\begin{eqnarray}
f(2 \vec{a}) &=& f(\vec{a}) +f(\vec{a}) \\
&=& 2\, f(\vec{a})
\end{eqnarray}となります。
また、とすると、
\begin{eqnarray}
f(3 \, \vec{a}) &=& f(2 \, \vec{a}) +f(\vec{a}) \\
&=& 2\, f(\vec{a}) +f(\vec{a}) \\
&=& 3\, f(\vec{a})
\end{eqnarray}となります。
ここで、とすると、
\begin{eqnarray}
f(\vec{x}) &=& 3\, f \left( \frac{1}{3} \, \vec{x} \right) \\
\therefore \quad f \left( \frac{1}{3}\, \vec{x} \right) &=& \frac{1}{3}\, f(\vec{x})
\end{eqnarray}を得ます。
よって、題意は証明されました。
解説
ベクトルを用いた関数方程式です。
見た目は厳ついですが、「任意のベクトル」を上手に利用すると証明できます。
本問では線型性の性質のうち加法性が明示されていますが、斉次性への言及はありません。
線型というのは - 数式で独楽する