数式で独楽する

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正多面体の種類

「正多面体」は、全ての面が正多角形である立体です。
正多面体は

  • 正四面体
  • 立方体(正六面体)
  • 正八面体
  • 正十二面体
  • 正二十面体

の5種類に限られます。

本稿では、正多面体が5種類しかないことについて説明していきます。
厳密な証明を与えるものではない旨、ご留意ください。

考え方

1点の周りに正多角形を並べていくことを考えます。
そもそも、どのような正多角形でも、2枚では立体を作ることはあり得ません。3枚は必要です。

正三角形

正三角形を1点の周りに並べると、図のようになります。
3, 4, 5枚の場合、図の点Oを含む辺で正三角形をくっつけると立体を作ることができます。
6枚並べると、平面になります。
正三角形と正四面体 - 数式で独楽する
正三角形と正八面体 - 数式で独楽する
正三角形と正二十面体 - 数式で独楽する


正方形

正方形を1点の周りに並べると、図のようになります。
3枚の場合、図の点Oを含む辺で正方形をくっつけると立体を作ることができます。
4枚並べると、平面になります。
正方形と立方体 - 数式で独楽する


正五角形

正五角形を1点の周りに並べると、図のようになります。
3枚の場合、図の点Oを含む辺で正五角形をくっつけると立体を作ることができます。
4枚にすると、1枚目と4枚目が重なり、立体を作ることができません。
正五角形と正十二面体 - 数式で独楽する

正六角形

正六角形を1点の周りに並べると、図のようになります。
3枚を並べると平面になり、立体を作ることができません。

正七角形

正七角形を1点の周りに並べると、図のようになります。
3枚を並べると、重なる部分ができます。立体を作ることができません。

立体を作れなくなる正多角形

 n角形の内角は、
\begin{equation}
\frac{180^\circ (n -2)}{n}
\end{equation}です。
1点の周りに正多角形を並べて立体を作れなくなるのは
\begin{equation}
3 \times \frac{180^\circ (n -2)}{n} \geqq 360^\circ
\end{equation}となる場合です。
つまり、3内角が360°以上となる場合です。
式を変形していくと、
\begin{eqnarray}
3 \left( 1 -\frac{2}{n} \right) & \geqq & 2 \\
1 & \geqq & \frac{6}{n} \\
\therefore \quad n & \geqq & 6
\end{eqnarray}となります。
つまり、角の数が6以上の正多角形は立体を作れないことを示しています。

まとめ

以上より、正多面体をなし得るのは、

  • 正三角形で3種類(正四面体、正八面体、正二十面体)
  • 正方形で1種類(立方体)
  • 正五角形で1種類(正十二面体)

の5種類に限られます。