本稿では、の連分数表記について見ていきます。
まず、次の式をご覧ください。
\begin{eqnarray}
\sqrt{10} - 3 &=& \frac{\left(\sqrt{10} - 3 \right) \left(\sqrt{10} + 3 \right)}{\sqrt{10} + 3} \\
&=& \frac{1}{3 + \sqrt{10}} \tag{1}
\end{eqnarray}
中学のとき、分母に無理数が来たときは有利化しなさいと習いましたが、ここではその逆を行っています。
式(1)の両辺に6を加えると、
\begin{equation}
3 + \sqrt{10} = 6 + \frac{1}{3 + \sqrt{10}} \tag{2}
\end{equation}となります。
ここで、式(2)の右辺に現れたに、式(2)を代入します。
\begin{eqnarray}
3+ \sqrt{10} &=& 6+ \frac{1}{3 + \sqrt{10}} \\
&=& 6 + \cfrac{1}{6 + \cfrac{1}{3 + \sqrt{10}}} \tag{3}
\end{eqnarray}
式(3)の右辺のに、さらに式(2)を代入します。
\begin{equation}
3+ \sqrt{10} = 6 + \cfrac{1}{6 + \cfrac{1}{6+ \cfrac{1}{3 + \sqrt{10}}}}
\end{equation}
この操作を繰り返していくと、次のようになります。
\begin{equation}
3+ \sqrt{10} = 6 + \cfrac{1}{6 + \cfrac{1}{6+ \cfrac{1}{6 + \cfrac{1}{\ddots}}}}
\end{equation}
省スペースの書き方では、
\begin{equation}
3+ \sqrt{10} = [6;6,6,6,\cdots]
\end{equation}となります。6が綺麗に並びました。
以上のことから、の連分数表記は、
\begin{equation}
\sqrt{10} = 3 + \cfrac{1}{6 + \cfrac{1}{6+ \cfrac{1}{6 + \cfrac{1}{\ddots}}}}
\end{equation}となります。
省スペースの書き方では、
\begin{equation}
\sqrt{10} = [3;6,6,6,\cdots]
\end{equation}となります。
また、循環小数のように、
\begin{equation}
\sqrt{10} = \left[ 3; \dot{6} \right]
\end{equation}と書きます。
の連分数表記は楽かもしれません。
