数式で独楽する

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アインシュタインの縮約記法

行列 A=(a_{ij}), \, B=(b_{ij})の積の演算を行う際、積$AB$の$(i, j)$成分は、
\begin{equation}
(AB)_{ij} = a_{i1}b_{1j} + a_{i2}b_{2j} + \cdots + a_{in}b_{nj} \tag{1}
\end{equation}で表されます。


これを和の記号で表すと、
\begin{equation}
(AB)_{ij} = \sum_{k=1}^n a_{ik}b_{kj} \tag{2}
\end{equation}となります。

アインシュタインの縮約記法では、更に和の記号をも省略して
\begin{equation}
(AB)_{ij} = a_{ik}b_{kj}
\end{equation}と表記し、
「重なった添字が出た場合はその添字について和を取る」
とするものです。
式(1)や(2)の表記だと煩雑で大量に書くことになってしまうのに対し、縮約記法を用いることで簡潔に書くことができるようになる、というものです。

アインシュタインの縮約記法は、
クロネッカーのデルタ
クロネッカーのデルタ - 数式で独楽する
や、
エディントンのイプシロンまたはレヴィ·チヴィタ記号
エディントンのイプシロンまたはレヴィ·チヴィタ記号 - 数式で独楽する

と組合せると、いろいろと威力が炸裂します。