数式で独楽する

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方べきの定理の逆 その3

「方べきの定理」に、逆があります。
方べきの定理 - 数式で独楽する

方べきの定理の逆

  1. 2線分AB, CDもしくは2線分AB, CDの延長が点Pで交わり、\begin{equation} \mathrm{P A} \cdot \mathrm{PB} = \mathrm{PC} \cdot \mathrm{PD} \end{equation} が成り立つならば、4点A, B, C, Dは同一円周上に存在する。
  2. 2直線PA, BCが点Pで交わり、\begin{equation} \mathrm{P A}^2 = \mathrm{PB} \cdot \mathrm{PC} \end{equation}が成り立つならば、直線PAは3点A, B, Cを通る円と点Aで接する。

方べきの定理の逆 - 数式で独楽する
では、方べきの定理の逆を証明するのに方べきの定理を用いましたが、本稿では別の方法で証明します。
この稿では、
線分ABとCDの延長に交点がある場合
を見ていきます。
f:id:toy1972:20200722182928p:plain:w400

△PACと△PDBに着目します。
\begin{equation} \mathrm{P A} \cdot \mathrm{PB} = \mathrm{PC} \cdot \mathrm{PD} \end{equation}より、
\begin{equation}
\frac{\mathrm{P A}}{\mathrm{PD}} = \frac{\mathrm{PC}}{\mathrm{PB}} \tag{1}
\end{equation}となります。
また、同一の角なので、
\begin{equation}
\angle \mathrm{AP C} = \angle \mathrm{DPB} \tag{2}
\end{equation}です。

式(1), (2)より、対応する2辺の比が等しく、挟まれる角が等しいので、

△PAC∽△PDB

となります。
したがって、対応する角は等しく、
∠PAC = ∠PDB

であることが分かります。

さて、ここで四角形ABDCに着目すると、

1内角とその対角の外角が等しい

つまり、
対角の和が180°

になっていることが分かります。
したがって、四角形ABDCは円に内接していることが証明されます。
対角の和が180°の四角形 - 数式で独楽する