数式で独楽する

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方べきの定理の逆 その4

「方べきの定理」に、逆があります。
方べきの定理 - 数式で独楽する

方べきの定理の逆

  1. 2線分AB, CDもしくは2線分AB, CDの延長が点Pで交わり、\begin{equation} \mathrm{P A} \cdot \mathrm{PB} = \mathrm{PC} \cdot \mathrm{PD} \end{equation} が成り立つならば、4点A, B, C, Dは同一円周上に存在する。
  2. 2直線PA, BCが点Pで交わり、\begin{equation} \mathrm{P A}^2 = \mathrm{PB} \cdot \mathrm{PC} \end{equation}が成り立つならば、直線PAは3点A, B, Cを通る円と点Aで接する。

方べきの定理の逆 - 数式で独楽する
では、方べきの定理の逆を証明するのに方べきの定理を用いましたが、本稿では別の方法で証明します。
この稿では、2項の場合を見ていきます。
f:id:toy1972:20200722183913p:plain:w400

△PABと△PCBに着目します。
\begin{equation}
\mathrm{P A}^2 = \mathrm{PB} \cdot \mathrm{PC}
\end{equation}より、
\begin{equation}
\frac{\mathrm{P A}}{\mathrm{PC}} = \frac{\mathrm{PB}}{\mathrm{P A}} \tag{1}
\end{equation}となります。
また、同一の角なので、
\begin{equation}
\angle \mathrm{AP B} = \angle \mathrm{CP A} \tag{2}
\end{equation}です。

式(1), (2)より、対応する2辺の比が等しく、挟まれる角が等しいので、

△PAB∽△PCA

となります。
したがって、対応する角は等しく、
∠PAB = ∠PCA

であることが分かります。

よって、接弦定理の逆
接弦定理の逆 - 数式で独楽する
により、

直線PAは三角形ABCの外接円と点Aで接している

ことが証明されます。