(1) を実数とするとき、を通り、に接する直線がただ1つ存在することを示せ。
(2) として、についてを通り、に接する直線の接点の座標をとする。このときを求めよ。
小問(1)の解答例
に対しなので、上の点における接線は、
\begin{equation}
y = e^t (x -t) +e^t +1
\end{equation}です。これがを通るので、
\begin{equation}
0 = e^t (a -t) +e^t +1
\end{equation}が成り立ちます。整理すると
\begin{equation}
a = -1 -e^{-t} +t
\end{equation}となります。
右辺はについて単調増加で
\begin{eqnarray}
\lim_{x \to \infty} a &=& +\infty \\
\lim_{x \to -\infty} a &=& -\infty
\end{eqnarray}なので、任意のに対し、はただ1つ存在します。
つまり、任意の実数に対し、はただ1つ存在し、接線はただ1つ存在します。(証明終わり)小問(2)の解答例
小問(1)の結果より、
\begin{eqnarray}
a_n &=& -1 -e^{a_{n+1}} +a_{n+1} \\
a_{n+1} -a_n &=& 1 +e^{-a_{n+1}} >1
\end{eqnarray}が成り立ちます。
これより、
\begin{equation}
\lim_{n \to \infty} a_n = \infty
\end{equation}を得ます。よって、
\begin{equation}
\lim_{n \to \infty} (a_{n+1} -a_n) = \lim_{n \to \infty} (1 +e^{-a_{n+1}}) =1
\end{equation}となります。解説
指数関数と接線と数列と極限が絡んだ問題です。
小問(1)は、接線が軸を通ることから接点の座標と接線の切片の関係を求めることになります。
そして両者が1対1の関係になっていることを示すことになります。小問(2)は、小問(1)の結果を利用します。
がで表すことができるので、極限を求めることが容易になります。