数式で独楽する

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京大 2010年 理系 第5問 その3

次の問いに答えよ。

(1)  nを正の整数、 a = 2^nとする。 3^a -1 2^{n +2}で割り切れるが 2^{n +3}で割り切れないことを示せ。

(2)  mを正の偶数とする。 3^m -1 2^mで割り切れるならば m =2または m =4であることを示せ。

小問(2)の解答例

前半部分はこちら
京大 2010年 理系 第5問 その2 - 数式で独楽する

小問(1)と補題(A)をまとめると、次のようになります。

n=1の場合

 m = 2(2l -1)とすると、 3^m -1は、 2^3で割り切れるが、 2^4で割り切れません。

このことを踏まえると、
 m = 6,10,14, \cdotsの場合、 3^m -1 2^mで割り切れません。
 m =2の場合、 3^2 -1 =8 2^3=8で割り切れるので 2^2でも割り切れます。

n=2の場合

 m = 4(2l -1)とすると、 3^m -1は、 2^4で割り切れるが、 2^5で割り切れません。

このことを踏まえると、
 m = 12,20,28, \cdotsの場合、 3^m -1 2^mで割り切れません。
 m =4の場合、 3^4 -1 =80 2^4=16で割り切れます。

n≧3の場合

 m = 2^n (2l -1)とすると、 3^m -1は、 2^{n +2}で割り切れるが、 2^{n +3}で割り切れません。

ところが、 m > n +2なので、 3^m -1 2^mで割り切れません。

まとめ

以上より、

  •  3^m -1 2^mで割り切れるならば m =2または m =4である

ことが示されました。(証明終わり)

解説

小問(2)の証明、すなわち条件を満たすものは m = 2,4のみであることを証明します。
小問(1)の情報だけで証明するのは、片や冪乗で片や倍数なので、かなり無理があります。
直接証明できないので、

  •  m=2,4以外では成り立ち得ない。
  •  m=2,4であれば成り立つ。

ことを示すことになります。
そのための補題(A)ということです。