負でない実数に対し、でが整数となる実数をで表す。すなわちは、の小数部分を表す。
(1) となる正の整数を求めよ。
(2) 10進法による表示での最高位の数字が7となる正の整数を1つ求めよ。ただし、である。
小問(1)の解答例
\begin{equation}
3.010 < 10\log_{10} 2 < 3.011
\end{equation}これより、
\begin{equation}
0.010 < \{ 10\log_{10} 2 \} < 0.011
\end{equation}を得ます。
\begin{equation}
\{ 10\log_{10} 2 \} < 0.02
\end{equation}なのでは求める正の整数に該当します。
小問(2)の解答例
\begin{array}{|r|r|}
\hline
n & 2^n \\ \hline
1 & 2 \\
2 & 4 \\
3 & 8 \\
4 & 16 \\
5 & 32 \\
6 & 64 \\
7 & 128 \\
8 & 256 \\
9 & 512 \\
10 & 1,024 \\
11 & 2,048 \\
12 & 4,096 \\
13 & 8,192 \\
14 & 16,384 \\
15 & 32,768 \\
16 & 65,536 \\
17 & 131,072 \\
18 & 262,144 \\
19 & 524,288 \\
20 & 1,048,576 \\
21 & 2,097,152 \\
22 & 4,194,304 \\
23 & 8,388,608 \\
24 & 16,777,216 \\
25 & 33,554,432 \\
26 & 67,108,864 \\
27 & 134,217,728 \\
28 & 268,435,456 \\
29 & 536,870,912 \\
30 & 1,073,741,824 \\
31 & 2,147,483,648 \\
32 & 4,294,967,296 \\
33 & 8,589,934,592 \\
34 & 17,179,869,184 \\
35 & 34,359,738,368 \\
36 & 68,719,476,736 \\
37 & 137,438,953,472 \\
38 & 274,877,906,944 \\
39 & 549,755,813,888 \\
40 & 1,099,511,627,776 \\
41 & 2,199,023,255,552 \\
42 & 4,398,046,511,104 \\
43 & 8,796,093,022,208 \\
44 & 17,592,186,044,416 \\
45 & 35,184,372,088,832 \\
46 & 70,368,744,177,664 \\
\hline
\end{array}
よって、は求める正の整数に該当します。
解説
2001年後期 京大 理系 第4問 - 数式で独楽する
超別解です。
正の整数を「1つ求めよ」とあるので、このような力業もありでしょう。
30分くらいあればを求めることはおそらく可能でしょう。
2の何乗の最高位が7となるなるのかが分からない中で計算を続けるのはつらいでしょうが、試験時間は2時間30分あるのでやってみる価値はあると思います。
もしかしたら、この方法を採った人がいたかもしれません。
それにしても、「最高位が7」というのはものすごく絶妙です。この方法でやろうとして、
- 簡単にはできない
- できないわけではない
という点においてです。
ちなみに、初めて最高位が9となるのは
\begin{equation}
2^{53} = 9,007,199,254,740,992
\end{equation}です。
の最高位の数字が初めて1~9となる負でない整数をまとめると、次の通りです。
数字 | |
---|---|
1 | 4 |
2 | 1 |
3 | 5 |
4 | 2 |
5 | 9 |
6 | 6 |
7 | 46 |
8 | 3 |
9 | 53 |