座標空間内の4点O(0, 0, 0), A(2, 0, 0), B(1, 1, 1), C(1, 2, 3)を考える。
(1) を満たす点Pの座標を求めよ。
(2) 点Pから直線ABに垂線を下ろし、その垂線と直線ABの交点をHとする。をとを用いて表せ。
(3) 点Qをにより定め、Qを中心とする半径の球面をを考える。が三角形OHBと共有点を持つようなの範囲を求めよ。ただし三角形OHBは3点O, H, Bを含む平面内にあり、周とその内部からなるものとする。
小問(1)の解答例
小問(3)の解答例
与えられた条件と式(5)より
\begin{eqnarray}
\overrightarrow{\mathrm{OH}} &=& \frac{1}{3} \, \overrightarrow{\mathrm{OA}} +\frac{2}{3} \, \overrightarrow{\mathrm{OB}} \\
&=& \frac{1}{3} \, (2,0,0) +\frac{2}{3} \, (1,1,1) \\
&=& \frac{1}{3} \, (4,2,2) \\
\overrightarrow{\mathrm{OQ}} &=& \frac{3}{4} \, \overrightarrow{\mathrm{OA}} +\overrightarrow{\mathrm{OP}} \\
&=& \frac{3}{4} \, (2,0,0) +(0,-1,1) \\
&=& \left( \frac{3}{2}, \ -1, \ 1 \right)
\end{eqnarray}を得ます。
\begin{equation}
\overrightarrow{\mathrm{OR}} = \frac{3}{4} \, \overrightarrow{\mathrm{OA}}
\end{equation}なる点Rは、点Qから平面OHBに下ろした垂線の足です。
球面と平面OHBの共有点は、点Rを中心とする円となります。
球面は、
\begin{equation}
\left( x -\frac{3}{2} \right)^2 +(y +1)^2 +(z -1)^2 = r^2
\end{equation}と表すことができます。
球面が3点O, B, Hを通るときのの値は以下の通りです。
O | |
B | |
H |
が最小となる可能性があるのは、が辺OHとなるときです。
OH上の点が上にあるとき、
\begin{eqnarray}
r^2 &=& \left( \frac{4}{3} \, t -\frac{3}{2} \right)^2 +\left( \frac{2}{3} \, t +1 \right)^2 +\left( \frac{2}{3} \, t -1 \right)^2 \\
&=& \frac{8}{3} \, t^2 -4t +\frac{17}{4} \\
&=& \frac{8}{3} \left( t -\frac{3}{4} \right)^2 +\frac{11}{4}
\end{eqnarray}となります。の範囲におけるの
- 最小値は
- 最大値は
となります。
よって、求めるの範囲は
\begin{equation}
\frac{\sqrt{11}}{2} \leqq r \leqq \frac{\sqrt{17}}{2}
\end{equation}となります。
解説
立体の幾何ゆえ、ややこしい印象です。ですが、球面の方程式を書いてみると見通しが立っています。
球面と三角形の共有ですが、球面の半径を増やしていくと
- いずれかの頂点または辺で接して始まり、
- いずれかの頂点を通過して終わる
ことになります。
本問の場合、共有が始まるときに接する可能性があるのは辺OHです。
ちなみに、平面OHBの式はです。