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期待値、平均値

期待値、平均値は、

  • 確率を伴う値があるとき、期待できる値がどれくらいか
  • 分布を伴う集団を記述する代表値のひとつ

です。
確率を伴う場合は期待できる値なので「期待値」、
それが平均としてどれくらいの値を期待できるかなので「平均値」、
要するにどちらも同じ意味で使われるものです。
分布を伴う場合も、この範囲にある割合つまり確率が伴うので、期待値も平均値も同じ意味で使います。
表記ですが、 E(X), \bar{x}, mなどが使われています。
期待値は英語で「expected value」、「平均」は「mean」です。

集団の要素がそれぞれ値$x_i$を持つとき、 X = \{ x_1, x_2, \cdots , x_N \}の平均 E(X)は、
\begin{equation}
E(X) = \frac{x_1 + x_2 + \cdots + x_N}{N} = \frac{1}{N} \sum_{i=1}^N x_i
\end{equation}です。

値に重複がある場合、つまり X = \{ x1, x_2, \cdots x_n \}の値がそれぞれ f_1, f_2, \cdots f_n個重複する場合は、
\begin{equation}
E(X) = \frac{x_1 f_1 + x_2 f_2 + \cdots + x_n f_n}{N} = \frac{1}{N} \sum_{i=1}^n x_i f_i
\end{equation}です。
なお、値$x_i$の度数が$f_i$という言い方をします。
また、度数の合計は$N$、つまり
\begin{equation}
\sum_{i=1}^n f_i = f_1 + f_2 + \cdots + f_n = N
\end{equation}です。

値が重複している数を全体に対する割合と考えると、その値$x_i$をとる確率$p_i$ということになります。
\begin{equation}
p_i = \frac{f_i}{N}
\end{equation}とすれば、
\begin{equation}
E(X) = x_1 p_1 + x_2 p_2 + \cdots + x_n p_n = \sum_{i=1}^n x_i p_i
\end{equation}です。なお、確率の合計は1、つまり
\begin{equation}
\sum_{i=1}^n p_i =1
\end{equation}です。

先ほどの場合は値が飛び飛び、つまり離散的の場合の話です。
値が連続的の場合は、
\begin{equation}
E(X) = \int_{-\infty}^{\infty} x \ f(x) dx
\end{equation}となります。
ここで f(x)確率密度関数と呼ばれるものであり、
\begin{equation}
\int_{-\infty}^{\infty} f(x)dx =1
\end{equation}です。

期待値、平均値の性質 - 数式で独楽する
期待値、平均値の性質 その2 - 数式で独楽する
期待値、平均値の性質 その3 - 数式で独楽する