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京大 2018年 理系 第6問 その3

四面体ABCDはAC=BD, AD=BCを満たすとし、辺ABの中点をP、辺CDの中点をQとする。

(1) 辺ABと線分PQは垂直であることを示せ。

(2) 線分PQを含む平面αで四面体ABCDを切って2つの部分に分ける。このとき、2つの部分の体積は等しいことを示せ。

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続きです。

小問(2)の解答例

平面αが、辺AD上の点Rを通るものとします。(*)

なお、平面αが

  • 辺ACを通る場合、以下の文章でCとDを入れ替える。
  • 辺BDを通る場合、AとBを入れ替える。
  • 辺BCを通る場合、AとB、CとDをそれぞれ入れ替える。

とすればよく、上記(*)の仮定をしても一般性を失いません。

平面PQRは平面αそのものであり、

  • RQは直線で、辺ACの延長との交点をT、
  • PTは直線で、辺BCとの交点をS

とします。さらに、
\begin{eqnarray}
\overrightarrow{\mathrm{AR}} &=& r \, \overrightarrow{\mathrm{AD}} \\
\overrightarrow{\mathrm{BS}} &=& s \, \overrightarrow{\mathrm{BC}} \\
\overrightarrow{\mathrm{AT}} &=& t \, \overrightarrow{\mathrm{AC}} \\
\end{eqnarray}とします。

(ii) r=0の場合

四面体ABCDは平面ABQで切断され、四面体ABQCとABQDができます。
2つの四面体は底面ABQを共有しています。
さらにQC=QDなので高さも等しくなります。
よって、四面体ABCDは平面ABQにより2等分されます。
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(iii) r=1の場合

四面体ABCDは平面CDPで切断され、四面体ACDPとBCDPができます。
2つの四面体は底面CDPを共有しています。
さらにPA=PBなので高さも等しくなります。
よって、四面体ABCDは平面ABQにより2等分されます。
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小問(2).(ii), (iii)の場合の解説

メネラウスの定理が使えない形です。
線分PQと両端のいずれかの辺でできる平面で、四面体ABCDが切断されるパターンです。
切断の様子をきちんとイメージできれば、2等分されることは容易に分かります。