四面体ABCDはAC=BD, AD=BCを満たすとし、辺ABの中点をP、辺CDの中点をQとする。
(1) 辺ABと線分PQは垂直であることを示せ。
(2) 線分PQを含む平面αで四面体ABCDを切って2つの部分に分ける。このとき、2つの部分の体積は等しいことを示せ。
続きです。
小問(1)の解答例
小問(2)の解答例
平面αが、辺AD上の点Rを通るものとします。(*)
なお、平面αが
- 辺ACを通る場合、以下の文章でCとDを入れ替える。
- 辺BDを通る場合、AとBを入れ替える。
- 辺BCを通る場合、AとB、CとDをそれぞれ入れ替える。
とすればよく、上記(*)の仮定をしても一般性を失いません。
平面PQRは平面αそのものであり、
- RQは直線で、辺ACの延長との交点をT、
- PTは直線で、辺BCとの交点をS
とします。さらに、
\begin{eqnarray}
\overrightarrow{\mathrm{AR}} &=& r \, \overrightarrow{\mathrm{AD}} \\
\overrightarrow{\mathrm{BS}} &=& s \, \overrightarrow{\mathrm{BC}} \\
\overrightarrow{\mathrm{AT}} &=& t \, \overrightarrow{\mathrm{AC}} \\
\end{eqnarray}とします。
(i) 0 < r < 1/2, 1/2 < r <1の場合
(ii) r=0の場合
(iii) r=1の場合
(iv) r=1/2の場合
式(2.6)により、
\begin{equation}
s = \frac{1}{2}
\end{equation}です。点R, Sはそれぞれ辺AD, BCの中点になります。
中点連結定理により、
\begin{eqnarray}
\mathrm{PR} = \mathrm{SQ} = \frac{1}{2} \, \mathrm{BD}, & \quad &
\mathrm{PS} = \mathrm{RQ} = \frac{1}{2} \, \mathrm{AC} \tag{4.1}\\
\mathrm{PR} \parallel \mathrm{SQ} \parallel \mathrm{BD}, & \quad &
\mathrm{PS} \parallel \mathrm{RQ} \parallel \mathrm{AC}
\end{eqnarray}となっていることが分かります。
四面体ABCDは、辺ACとBDに平行な平面PRQSに切断されることになります。
さて、切断してできる立体APRCQSは、点P, Rを通り面BCDに平行な平面で、三角柱PRUSQCと三角錐APRUに分割できます。
面BCDの面積を、四面体ABCDの高さをとします。式(4.1)を踏まえると、それぞれの立体の体積は、
\begin{eqnarray}
V_{\mathrm{ABCD}} &=& \frac{Sh}{3} \\
V_{\mathrm{PRUSQC}} &=& \frac{S}{4} \frac{h}{2} = \frac{Sh}{8} \\
V_{\mathrm{APRU}} &=& \frac{1}{3} \frac{S}{4} \frac{h}{2} = \frac{Sh}{24}
\end{eqnarray}となります。
よって、求める立体の体積は、
\begin{equation}
V = \frac{Sh}{8} + \frac{Sh}{24} = \frac{Sh}{6} = \frac{1}{2} \, V_{\mathrm{ABCD}}
\end{equation}となります。
(v) まとめ
以上、(i)~(iv)項により、線分PQを含む平面αで四面体ABCDの体積を2等分することができることが示されました。