解答例
(i) の場合
\begin{equation}
(a +bi)^2 = a^2 -b^2 +2abi
\end{equation}となります。
なので、は実数になり得ません。
(ii) の場合
二項定理により、
二項定理 - 数式で独楽する
\begin{eqnarray}
(a +bi)^p &=& \sum_{n = 0}^p {}_p C_n a^{p -n} (bi)^n \\
&=& (q^p a^p +q_{p -2} a^{p -2} b^2 +\cdots +q_3 a^3 b^{p -3} +q_1 ab^{p -1}) \\
&& +(q^{p -1} a^{p -1} b +q_{p -3} a^{p -3} b^3 +\cdots +q_2 a^2 b^{p -2} +q_0 b^p)\, i
\end{eqnarray}を満たす数列を定めることができます。*1
これが実数であるならば、
\begin{equation}
q^{p -1} a^{p -1} b +q_{p -3} a^{p -3} b^3 +\cdots +q_2 a^2 b^{p -2} +q_0 b^p = 0
a\end{equation}が成り立ちます。
なので、
\begin{eqnarray}
\pm b^p &=& q^{p -1} a^{p -1} b +q_{p -3} a^{p -3} b^3 +\cdots +q_2 a^2 b^{p -2} \\
\Rightarrow \quad b^{p -1} &=& a^2(q^{p -1} a^{p -3} +q_{p -3} a^{p -5} b^2 +\cdots +q_2 b^{p -3}) \tag{1}
\end{eqnarray}となります。
式(1)の右辺はの倍数となっていますが、左辺はそうなっていません。だと式(1)は成り立ち得ません。
は互いに素な正の整数なので、
\begin{equation}
a = b = 1
\end{equation}となります。
このとき、
\begin{eqnarray}
(1 +i)^p &=& \sqrt{2} e^{p \pi i/4} \\
&=& \sqrt{2} \left( \cos \frac{\pi}{4} \, p +i \sin \frac{\pi}{4}\, p \right)
\end{eqnarray}ですが、
オイラーの公式の証明 - 数式で独楽する
は奇数なので、虚部は0になり得ません。
以上より、は実数になりません。(証明終わり)
解説
展開して虚部が0となる条件を見ることになります。が互いに素であることが強力な手掛かりとなります。
「互いに素」とは2整数の最大公約数が1であることです。1と1も互いに素なのですが、直感的には違和感を感じてしまいます。
*1:です。は奇数なので、を展開すると項数は偶数となり、実部と虚部は項ずつとなります。