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2001年前期 京大 理系 第3問

整数 nに対し \displaystyle f(n) = \frac{n(n -1)}{2}とおき、 a^n = i^{f(n)}と定める。ただし i虚数単位とする。このとき a_{n +k} = a_nが任意の整数 nに対して成り立つような正の整数 kをすべて求めよ。

解答例

 i^4 = 1なので正の整数 mに対し
\begin{equation}
f(n +k) = f(n) +4m \tag{1}
\end{equation}が成り立ちます。
\begin{eqnarray}
f(n) &=& \frac{n(n -1)}{2} \\
f(n +k) &=& \frac{(n +k)(n +k -1)}{2}
\end{eqnarray}を式(1)に代入すると、
\begin{equation}
\frac{(n +k)(n +k -1)}{2} = \frac{n(n -1)}{2} +4m
\end{equation}となります。
整理します。
\begin{eqnarray}
(n +k)(n +k -1) &=& n(n -1) +8m \\
n^2 +(2k -1)\, n +k(k -1) &=& n^2 -n +8m \\
2kn +k^2 -k &=& 8m
\end{eqnarray}したがって、
\begin{equation}
k(2n +k -1) = 8m \tag{2}
\end{equation}が成り立ちます。

(i)  kが8の倍数の場合
式(2)は成り立ちます。

(ii)  kが4の倍数だが8の倍数でない場合
 2n +k -1は奇数となります。
式(2)は成り立ちません。

(iii)  kが2の倍数だが4の倍数でない場合
 2n +k -1は奇数となります。
式(2)は成り立ちません。

(iv)  kが2の倍数でない場合
 2n +k -1を8の倍数にできますが、この場合 nは任意の整数にできません。

以上より、求める kは8の倍数となります。
正の整数 lを用いると、
\begin{equation}
k = 8l
\end{equation}です。

解説

虚数単位。2乗すると-1、4乗すると1です。取り掛かりはここからです。
条件を整理すると、2整数の積が8の倍数になります。
ということは、

  • どちらかが8の倍数
  • 一方が4の倍数、もう一方が2の倍数

のパターンしかありません。