を自然数とする。平面内の、原点を中心とする半径の円の、内部と周をあわせたものをであらわす。次の条件(*)を満たす1辺の長さが1の正方形の数をとする。
(*) 正方形の4頂点はすべてに含まれ、4頂点のおよび座標はすべて整数である。
このとき、を証明せよ。
解答例
(*)を満たす正方形を全て合わせた領域をとします。
明らかに
\begin{equation}
D_n \subset C_n
\end{equation}です。
また、適当なに対して
\begin{equation}
C_{n -k} \subset D_n
\end{equation}とできます。
このとき、
\begin{equation}
\pi (n -k)^2 < N(n) < \pi n^2
\end{equation}となります。
変形します。
\begin{equation}
\pi \left( 1 -\frac{k}{n} \right)^2 < \frac{N(n)}{n^2} < \pi
\end{equation}
ここで、
\begin{equation}
\lim_{n \to \infty} \pi \left( 1 -\frac{k}{n} \right)^2 = \pi
\end{equation}なので、
\begin{equation}
\lim_{n \to \infty} \frac{N(n)}{n^2} = \pi
\end{equation}を得ます。(証明終わり)
数列の極限 その2 はさみうちの原理 - 数式で独楽する
解説
直接を求めるのは至難の業です。
はドット絵や刺繍で作った円の面積に相当します。
明らかに半径がの正円の面積よりも小さいです。
半径の円周は、正方形の集合の外周のギザギザと何回も交差します。
半径を適当に小さくすると、円周をギザギザの内側に収めることができます。
このように仕込んでから、はさみうちの原理です。